発言切り取りを世界に発信
共同通信英語版「上川大臣が出産を伴わない女性の価値を問う」
共同通信英語版が「上川大臣が出産を伴わない女性の価値を問う」とタイトルにして世界に発信しており、元記事の変更後にもかかわらず変わっていません。なぜか二回もシェアしています。
URLに要注目です。タイトルそのままになっています。
h ttps://english.kyodonews.net/news/2024/05/487c82dcc718-japan-minister-queries-womens-worth-without-birth-in-election-speech.html
なお、毎日新聞英語版も同じ記述の記事を配信しています。
give birth は「生む」の意味もあるが…日本語の「うむ」が無い
Foreign Minister Yoko Kamikawa on Saturday asked central Japan constituents how “we women can call ourselves women without giving birth,” equating the importance of childbirth to electing a new governor in a speech ahead of a gubernatorial election.
共同通信英語版の記事本文にはこのような記述があり、「子供の出産の重要性を新しい知事を選ぶことと同一視した」という意味で、比喩表現であると読める余地を残したものになっていますが、その意味であると解するためには圧倒的に背景事情の説明が足りません。
確かにgive birth には女性の出産ではない「生む」の意味もありますが、日本語の元記事(サイレント変更後)にあるような「この方を」という限定も無ければ、「新たな知事を誕生させるとの趣旨の発言」という説明書きもありません。
その上、タイトルは “Japan minister queries women’s worth without birth in election speech” であり、日本語の「産む」と「生む」の間の緩衝地帯である「うむ」という表現ではないため、日本語記事よりも遥かに認識誘導的です。
このような「日本語では修正したが英語版は従来通りか、むしろより煽動的な記事を垂れ流している」という状況はこれまでも多数存在してきましたが、改めてその例を垣間見ることになりました。
追記:上川大臣の発言撤回に関する記事では「出産」としか理解できない記述
Japanese Foreign Minister Yoko Kamikawa on Sunday retracted her remark the previous day about the importance of women’s giving birth, saying her choice of words was liable to cause misunderstanding.
上川大臣が発言を撤回したことを報じた記事では“women’s giving birth“と書いているために「女性の出産」としか理解できない記述が本文にあります。
さらに、URLに注目です。
h ttps://english.kyodonews.net/news/2024/05/461f0c3141dc-japan-foreign-minister-retracts-controversial-childbirth–remark.html
“childbirth”は、もはや言い逃れできない虚偽です。*1
ミスリーディングなのはお前、どころではない捏造報道じゃないですか。
編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2024年5月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。