不動産は「過去の価格」ではなく「他の都市」と比較する

CHUNYIP WONG/iStock

日本国内の金利上昇によって、不透明感が高まっていると思われている日本の不動産ですが、私は個人的にまだ強気に見ています。特に東京23区については、資産性を考えれば「ガチホ(=ガッチリとホールド)」でいこうと思っています。

保有している物件を売却するつもりは今のところありませんし、今年に入ってからも晴海フラッグなどの新しい物件を銀行借り入れを使って追加購入しています。

国内不動産の中でも特に東京23区は人口流入も継続し、日本全体の人口が減少している中で賃貸物件の需給関係も良好な状態を保っています。

しかも、インフレの影響もあり、家賃相場が上昇傾向にあります。

投資用物件の場合、毎月の家賃が1000円上昇すれば、物件価格は約30万円上昇します(賃貸利回り4%として)。家賃の上がる物件は、物件の評価も同時に上がっていくのです。

日本経済新聞

日本経済新聞に掲載されていた価格推移を見ると右肩上がりに上昇しています(図表参照)。ただし、海外の主要都市に比べれば、東京の不動産は割安です。

日本不動産研究所が2023年10月時点で価格を比較したところ、東京都港区を100とすると、香港263.4、ニューヨーク142.9、ロンドン205.4と、東京の割安感が際立ちます。

これは円安の影響もありますが、賃貸利回りで見ても東京の価格は割安です。賃貸利回りが海外並みになるためには、物件価格がまだ上昇する必要があります。

不動産の価格は過去と「垂直比較」するのではなく、世界各国の似たような都市と「水平比較」することが大切です。

「10年前は安かった」と嘆いても過去の価格では購入できませんから無意味です。それよりも現在の価格でグローバルに見て割安なものを買うことに意味があるのです。

と言っても、東京の70平米程度のファミリータイプの不動産は、単価が1億円を超えるようなレベルになってきており、簡単に手が出せる水準ではありません。

ところが、投資用の中古ワンルームマンションであれば、まだ2000万円前後でも物件を見つけることができます。しかも、提携ローンを使えば頭金10万円で1%台半ばで借りることができるのです。

まだ魅力的に見える東京23区の不動産の投資戦略に関してのセミナーを6月17日に銀座で開催します。ご興味のある方はこちらからお申込みください。今回で19回目の開催となる人気のセミナーです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年6月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。