路面を走る江ノ電とともに腰越を歩く

先週歩いた鎌倉・江ノ電沿線。今回はその最終回です。

最初にこの写真。私は何駅にいるでしょう。この写真だけでどこかがわかる人は、鉄オタか江ノ電に乗り慣れている人です。

答えはこちら、腰越駅。腰越駅はホームの両側に踏切があってホームの長さに限界があり、4両編成の場合、最後尾の車両がホームに入りきらずドアが開きません。

腰越駅から江ノ島駅までのひと区間、江ノ電は路面電車となって車とともに道路の中央部を走ります。明治39年にこの区間が開業して以来変わらない光景です。なお、手前に写る橋は日本で唯一、車両と鉄道が同一平面を利用する鉄道道路併用橋です。かつては名鉄犬山線の犬山遊園から新鵜沼の間にも存在しましたが今は別々に切り分けられています。

それにしても腰越駅、向かいに建つ建物との間が近い。電車はまるで車庫に入るかのように駅に滑り込んでいきます。

少し南に歩を進めれば腰越海岸。江ノ島を目の前に見ながら海岸で週末を過ごす家族の姿が見えます。

腰越海岸の東にあるこんもりした山は小動(こゆるぎ)岬。周辺の腰越漁港は鎌倉名物のシラスが主要な特産品で、この周辺では生シラスが食べられる店が多くあります。わたしも大好きです♪

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江ノ電の走る通りに戻りましょう。「電車接近」「前方注意」と警告灯が点灯する下を、江ノ電グリーンの車両が颯爽と走っていきます。電車が走る間車は電車を避けるように器用に走っていきます。

龍口寺前の踏切から江ノ島駅方面を眺めると、うっすらですが富士山が見られます。静岡に住んでいるので珍しいわけではないのですが、やはりひょっこりと富士山に出会うとなんだかうれしくなってしまいます。

龍口寺交差点前の江ノ電もなかを売るお菓子屋・扇屋。200年営業を続ける老舗です。実際に走っていた江ノ電の車両が建物の中に埋まっていて、上にはパンタグラフまで!江ノ電愛を感じさせます。

龍口寺前の線路は大きなS字のカーブを描いています。このカーブは日本で一番急なR=28m。江ノ電の車両はこれを曲がれるような車長12.5mで2両連接の特殊な車体になっているのです。動画でS字カーブを器用に曲がってゆく江ノ電の姿をご覧ください。


江ノ島駅までやってきました。いわずと知れた江ノ島観光の玄関口で多くの観光客で賑わいます。江ノ電には何度も乗っているのですが江ノ島は一回しか行ったことがありません。トンビに襲われたのがトラウマだからでしょうか。今回もここからすぐ藤沢駅に向かってしまったんですが、久しぶりに江ノ島にも上陸したいですね。

江ノ島にも行ってや、と訴えかけられています。

沿線を歩けば歩くほど魅力が発見される江ノ電沿線。まだまだご紹介しきれていないところがたくさんあります。

今回は半日で駆け足の観光になってしまいましたが、またゆっくり時間をとって歩いて沿線の魅力をご紹介できたらと思いました。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年6月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。