経済学者ジョセフ・スティグリッツ氏を中心とした16人のノーベル経済学賞受賞者が、トランプ前大統領の再選後の経済政策に対する懸念を表明した書簡をまとめたと新興メディアアクシオスが報道しました。
ノーベル賞受賞者らの連名で準備された書簡は、「私たちは、第二次トランプ政権が米国経済にもたらすリスクを深く憂慮しています。」という書き出しで始まっています。そして、彼らは「ジョー・バイデンの経済アジェンダがドナルド・トランプのそれよりも圧倒的に優れていることは、誰もが認めるところである。」とし、バイデン政権下で製造業や気候変動対策の政府資金投入がなされ、インフレが鎮静化しつつあることを評価しています。
アクシオスが入手した書簡はノーベル経済学者たちによるバイデン再選を後押しするための選挙活動という意味合いがあります。
ノーベル賞受賞者による書簡
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学者たちは、第二次トランプ政権による無責任な予算編成によって、インフレが再燃すると警告しています。
しかし、書簡ではトランプ氏の公約の中で最もインフレを引き起こす恐れがあると考えられている、関税率を上げるという公約は批判されていません。
トランプ氏は大統領に再選すれば、全輸入品に10%の課徴金を課し、中国製品に関しては60%の関税をかけることを公約として掲げています。
「ドナルド・トランプの財政政策の目玉は、アメリカ人が購入するほぼすべての製品に対する10%の売上税引き上げだ。バイデン政権下での値札に腹を立てているなら、トランプの売上税で大幅に値上げされることは間違いない」
書簡で関税についての言及が無かった理由は、学者たちの「推し」であるバイデン氏が支持基盤である労働組合に対する配慮の一環で関税を爆上げしていることが関係しているのかもしれません。
また、ノーベル経済学者たちはトランプ氏が「無責任に予算を組む」ことでインフレを引き起こす可能性を批判していますが、バイデン氏が1兆ドル近い財政支出により、インフレの元凶を作ったことについては何も言及していません。
トランプ氏の経済政策を批判するなら、米国における物価高騰を加速させたバイデン氏の政策も批判するべきではないでしょうか?