米国の主要紙であるニューヨーク・タイムズは社説で2020年大統領選でバイデン氏の推薦を表明しました。
しかし、28日の討論会でバイデン氏が「絶望的」なパフォーマンスを披露したことで、同紙所属のコラムニストたちが一斉に「バイデン降ろし」の号砲を鳴らしました。
ニューヨーク・タイムズの編集部はジョー・バイデンを大統領候補として支持する。「彼の選挙運動は、堅実さ、経験、思いやり、そして良識に根ざしている。」
討論会後に、ニューヨークタイムズのオピニオン欄にはバイデン氏が選挙戦から撤退するように求める、または同氏が再選できる可能性を懐疑的に見るコラムが次々と掲載されています。
「ジョー・バイデンは良い男であり、良い大統領だ。彼は選挙戦から降りなければならない。」
「バイデンはこのままではいけない」
「民主党員からは、バイデンの討論会でのパフォーマンスに対する不安の声が聞こえてくる。」
「バイデンは年を取りすぎているのか?アメリカ国民は答えを得た。」
ニューヨークタイムズのコラム欄で外交記事を手掛けるトーマス・フリードマン氏は、トランプを倒すために、バイデン氏が潔く身を引き、後進に道を譲るべきだと論じました。
フリードマン氏はバイデン政権になってから幾度もインタビューをしており、バイデン氏が上院外交委員長だった時代から交流があります。討論会のせいで、バイデン氏は旧知の仲である記者からもトランプには勝てないと思われ始めています。
「11月にアメリカがトランプの脅威を阻止する最大のチャンスを得るためには、大統領は自ら進んで再選に立候補しないと宣言する必要がある」とトーマス・フリードマンは書いている。
フリードマン氏以外にも、クリストフ氏が「バイデン大統領、もう十分だ」と題するコラムを発表し、党大会で新たな民主党大統領候補が選出されるべきだと主張しています。
エズラ・クライン氏は民主党大会で新しい大統領候補が選ばれるべきだと主張していましたが、民主党内からの批判に耐えきれなくなり、一般教書演説後に立場を変えました。
討論会の結果を受けて、立場を180度再転換させています。
すごい。エズラ・クラインは、ジョー・バイデンが退き、民主党が党大会で候補者を選ぶべきだとはっきり主張している…エズラからすると、これはすごいことだと思う。
エズラ・クライン氏、バイデン氏について「いいだろう、カムバックと呼べ」
「先週、一般教書演説をするために姿を現したジョー・バイデンが、残りの選挙活動にも姿を現すなら、彼には再選に立候補する資格がないと示唆する弱気な評論家はもう現れないだろう。彼が再選に立候補することを期待したい。」
「民主党はある時点で、今回の選挙に勝利しようとするのか、それとも脱線するこの列車に乗ること以外何もできないのは単に不快なのかを決めなければならない」と、 @EzraKleinがマター・オブ・オピニオンの討論会後のエピソードで述べている。
ニューヨークタイムズのコラムニストたちの間でバイデンが討論会で勝利したと考えた人は一人もいませんでした。ほぼ皆が、トランプが勝利したとの意見を共有しています。
「誰も勝てなかった」とリディア・ポルグリーンは言う。「だが、11月に大統領選に投票する予定の人にとっては、誰が負けたかは疑問の余地がない。」 ここでは、12 人のオピニオンライターが大統領選討論会についての意見を共有し、候補者のパフォーマンスをランク付けします。
とうとう社説でもバイデンの大統領選からの撤退を掲げました。
大統領テレビ討論会は選挙結果に影響を与えると言われてきましたが、それを統計的に証明するエビデンスはありません。
テレビ討論会でのケネディ大統領が若々しいイメージが追い風になったと一般的に理解されていますが、ケネディ氏の得票数は対抗馬のニクソンと約10万票しか違わず1960年大統領選は大接戦となりました。
1960 年の大統領選挙は接戦で、両陣営とも苦々しい思いを抱えていました。ケネディの勝利の差は、約 7,000 万票中 115,000 票未満でした。
しかし、討論会でのパフォーマンスは米国政治インサイダーの情勢認識に大きな影響を与えることは事実です。討論会直後に「バイデン降ろし」の声が主要コラムニストや民主党内部から聞こえてくるようになったことが、そのことを示しています。
「大統領選討論会が始まって30分が経った頃、私は3人のベテラン民主党大統領選対策幹部から話を聞いたが、全員がバイデン大統領のパフォーマンスに対して同じ反応を示した。『これは大惨事だ』」とパトリック・ヒーリー氏は書いている。