中国政府の主導により、パレスチナ自治政府の主流派であるファタハと、ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが和解する合意に署名しました。先進各国の内政が混乱している間に、中国の中東での存在感が高まっています。北京での会議には、ファタハとハマスを含む14の組織が招待されていました。
かつてエジプト政府の主導で成立した和解合意により、ガザの行政権限を統一政府へ移譲することが決まったこともありましたが、合意は崩壊していました。
犬猿の仲であったファタハとハマスの間を中国が取り持ちました。
イスラエルのネタニヤフ首相の米国議会演説の直前というタイミングに外交的メッセージが含まれています。
ファタハ(Fatah)は、パレスチナ自治政府の主流派であり、パレスチナ解放機構(PLO)の主要メンバーです。1960年代に設立され、長年にわたりパレスチナ人の国家樹立を目指して活動してきました。主に世俗的で、国際的な支持も多く得ています。1993年にイスラエルとの和平協定を結び、パレスチナ自治政府の設立に貢献しました。現在もヨルダン川西岸地区を中心に統治しています。
一方のハマス(Hamas)は1987年に設立されたイスラム主義組織で、ガザ地区を実効支配しています。イスラエルとの対立が深く、過去に多数の武力衝突やテロ攻撃を行ってきました。ファタハの長年の腐敗が嫌気され、2006年のパレスチナ議会選挙で勝利して政権を獲得し、ガザ地区を実効支配を開始しました。社会福祉活動や教育事業も展開しており、ガザ地区での支持基盤を強固にしています。
このような両者の対立により、パレスチナ問題の解決は一層難しいものになっていました。
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王外交部長は、パレスチナ問題が中東問題の核心であると述べ、中国はパレスチナ問題に関して私利私欲を持ったことは一度もなく、パレスチナ人が正当な主権を回復することを常に支持してきたと中国のこれまでの立場を強調しました。
会議の閉会式には、パレスチナの主要14勢力の代表者のほか、エジプト、アルジェリア、サウジアラビア、カタール、ヨルダン、シリア、レバノン、ロシア、トルコの代表らも出席したということです。