黒坂岳央です。
育児をするどの親も抱える悩みの一つは「子供が勉強してくれない」であろう。自分が住んでいる畑と牧場ばかりの田舎でも、親の教育熱はすさまじく、2つ、時には3つもかけもちで習い事をしている子も珍しくない。ZOOMを通じたオンライン授業をする子もいる。しかし、そんな親の熱意とは裏腹に「子供は勉強をしない」というのはいつの時代でもお決まりだろう。
自慢ではないが、筆者は子供が夢中になって勉強をする状況を作ることができた。頭を押さえつけることは一切しない。子供たちは勝手に勉強をするし、時にはこちらが止めないと晩ごはんを忘れてしてしまうほど熱中する。だが最初からそうだったわけではなく、作戦が功を奏したのだ。
親が一緒に学ぶ
子育てについては様々な本を読み、教育者の見解を聞いて色々試してきたが、個人的に最も効果的だったのは「親が子どもと一緒に勉強をする」というやり方だ。
先日の記事で書いた通り、現在子供にプログラミングを学ばせている。色々と悩んだ結果、「教室に通うより先に、まずは自宅でできるところまで伸ばそう」という考えに至り、今はプログラミングの書籍を買って自分と一緒に制作をしている。
自分がこれまで触ってきたものはせいぜい、HTML、CSS、Jqueryの表面的なものくらいで、「自分はプログラミングができる」などと胸を張って言えない素人である。そこで、せっかくだしこの機会に子どもと一緒にゼロから勉強しようと思ったのだ。
本だけ与えて一人でやらせる人もいるかもしれないが、それをすると壁にぶつかった瞬間に挫折して放り出すだろう。だから一緒にする。昨日も子供がうまく動かない事態に直面したので、「もしかしてこれをこうしたらいいんじゃないか?」と提案したら動作し、うまくトラブル対応できたことに大喜びして続きを作っていた。また、自分がプログラミングの本を読んでいると、横から覗き込んでくるようになった。
親が興味を持って一緒に学ぶと子供は本気になる。時には上から目線で「そうじゃないよ。こうだよ」と教えようとしてくるので、「ありがとう。勉強になった」と返すようにしている。これはプログラミングに限らない。英語でも文章作成でも、子供は親がやっていることに興味を持ち、首を突っ込んでくる。
発表の場を与える
これは大人、子供に関わらず言えることだが、人が最も気合が入るのは人前で発表する場である。自分自身、日々記事や動画を出す立場で「余計な失言がないか?」「見ている人に誤解を与える内容はないか?」ということにかなり気を使っている。結果、言語化能力や表現力が鍛えられるのだ。特にセミナーや講演でたくさんの人の前で話す時は、1ヶ月かけて準備や練習をするほど気合を入れて取り掛かる。
しかし、日常的にあまり発表の場がないというのが一般的だろう。役職がなければ会社でも発表する機会などほぼないという人は多い。そこで子供には積極的に発表の場を提供するのだ。たとえば、作文コンクールや英語スピーチコンテストがあったら応募する。イベントに参加して積極的に発表を促すといったものだ。
自分の場合は親戚一同が集まる場は、子供に乾杯の挨拶をさせている。本人も緊張するからか、事前に原稿を作成し読む練習をする。そして本番を迎えると緊張しながらも発表し、周囲から「ものすごく上手だった!」と褒められるので照れながら喜んでいる。「よくやった!」と肩を叩くと「次も自分がやる」と言い出す。
発表は誰しも緊張する。だからこそ、適度な緊張が成長を作ってくれるのだ。
子供は親の背中を見て育つ
育児をする上で強く感じることは、子供は驚くほど親の背中を見ているということだ。学校で他の子供と会話しても「パパが車の修理の仕事をしているから、自分も将来同じ仕事をしたい」という子供や、「ママが料理が好きなので、自分も料理が得意なママになりたい」という子供の話を聞いてきた。
自分の場合、情報収集や記事、動画制作をする上で英語を使っていると「自分も英語使った仕事をしたい。もっと英語うまくなってパパを超えたい」と言い出す。「勉強しなさい」などと言わなくても、子供は親がやっていることに興味を持つのでとにかく背中を見せるだけでいいと思っている。
同時に、これには注意が必要で家でゴロゴロする姿を見せると、それも伝染してしまうだろう。自分自身、子供には常に見られているという感覚があるので、仕事や勉強は楽しくやっている姿を見せるようにしている。
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子供が勉強するかどうかは環境次第だ。ガミガミうるさく強制するのはむしろ、勉強嫌いになる原因なので上手に勉強したくなるようにリードするのが親の役割だと思っている。
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