固定電話のない会社は口座開設できない「あのネット銀行」

10年ほど前に引っ越した時、全く使わなくなってしまった固定電話を解約しました。それ以来電話は携帯の番号を1つだけ保有しており、個人も法人も同じ電話番号で登録しています。

携帯電話だけで何も不便なく過ごしていたのですが、最近困ったことが起こりました。

それは、法人の銀行口座を新たにネット銀行で開設しようと思って手続きをしていたところ、口座開設申込書に入力する電話番号に関して、携帯番号とPHSは不可となっていました。

固定電話を持たない会社は実態が不明だから信用できないということでしょうか?

しかし、今回口座開設しようとした会社は、2012年に設立してから12年以上に渡りリアルにビジネスを展開しています。しかも、創業以来黒字決算を続けており財務内容にも懸念はありません。

さらに、シェアオフィスではなく実在する本社あって、ホームページも存在しています。にもかかわらず、固定電話がないと会社として信用に値しないということのようです。

それぞれの金融機関の考え方があるので、このような対応を全否定はしませんが、理由がよくわかりませんし、ビジネスチャンスを逃しているようにしか思えません。

金融機関の審査は、他にも意味不明なものがたくさんあります。

以前クレジットカードの申し込みをした時は、勤務先の会社の社員数を記載する欄がありました。社員が多ければ大手の企業として信頼できると言うことでしょうか

しかし、今や大して利益の上がらない会社が、大量の社員を抱え込んでいる方がリスクです。これもまた時代の変化に対応しない審査方法だと思いました。

銀行やクレジットカード会社は、毎日の生活やビジネスには必要不可欠な存在ですが、何かと理不尽に感じることが多くストレスフルになりがちです。

今回の件は、オンラインで杓子定規な担当者とのやり取りなので、これ以上無駄な時間を過ごさないようすっぱりと諦めて別の方法を考えることにしようと思います。

anyaberkut/iSOtock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年8月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。