出かけたくなる「会員制のお店」の条件

今週はたまたま、自分が会員になっているお店に行ったり、友人が会員になっているお店に連れて行ってもらったりと、「会員制のお店」に行く機会が重なりました。

私が会員制のお店の会員になる理由はいくつかあります。

まず、小さなお店の場合でも一見さんが入ってこないので安心して利用できます。寿司店やワインバーのカウンターにマナーをわきまえない人がいたりすると、場の雰囲気が乱れてしまうことがあり楽しむことができません。

会員制だと会員かその同伴者しか入ってきません。メンバー同士であることでむしろ安心感があります。ワインバーなどでは隣席に座った初対面の人でもワインをシェアしたりして仲良くなったりすることも珍しくありません。、

また、お店のスタッフとも顔見知りですから、こちらの食事やお酒の好みを覚えていてくれたりします。

「おまかせでお願いします」というと、予算を考えて、ワインをセレクトして、丁度良い量の食事を出してくれたりするのは助かります。

そして会員制のお店は会員ではない人は会員に誘ってもらわないと入れません。自分が会員になっているお店にお連れすると喜ばれることが多いのです。ディナーやワイン会が盛り上がった結果、新しいビジネスにつながったりすることもあります。

この手の会員制のお店の肝は、サービス内容と会員のクオリティコントロールです。

会員になって良かったと思えるようなクオリティの高いサービスが無ければ、敢えて行く必要はなくなります。特別な食材、卓越したお料理やドリンク、気持ちの良い接客、リーズナブルな会計といった他には無い価値が必要です。

また、必要以上に会員数を増やし予約が取りにくくなったり、雰囲気の異なるメンバーが増えてくると、元々いた常連の足が遠のき、お店は衰退していきます。

こう考えると出かけたくなる会員制のお店の運営には、高い能力ときめ細かな努力が必要であることがわかります。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年8月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。