人生の早い段階で気づくと有利になること3選

黒坂岳央です。

「人生に遅すぎることはない」と言われるが、同じ結果ならなるべく早く、人生前半で気づいた方が有利になることは少なくない。特にそれが顕著に現れるものが3つある。仮にタイムマシンで昔に戻れるなら、若い頃の自分にしっかりと言い聞かせたいと感じるものを独断と偏見で取り上げたい。

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体は消耗品であること

若い頃は健康はあって当たり前のものだが、加齢に伴い「努力して維持するもの。獲得するもの」に変わる。さらに恐ろしいことにどれだけ医学が進歩しても失ってしまうともはや取り戻せない部位も存在する。

その筆頭が「歯」である。歯は皮膚などの組織に比べて再生能力が限定的であり、自然に修復されることはない。虫歯や歯周病で消耗し、失ってしまえば二度と健康な歯に戻すことはできない。

また、歯の重要性は単に食事をするだけに限らない。咀嚼による脳への健康効果、唇や舌の動きと連動して発音を助け、正しい歯並びで表情を豊かにする。さらには奥歯を噛みしめることで瞬発力を生み出す助けにもなる。厚生労働省の調査によると、65歳以上で歯の有無は認知症リスクを1.9倍高めてしまうとある。

その他にも腰や関節、目や耳など一度機能を失ってしまえば二度と戻らない組織は少なくない。歯は定期検診へいく。目はスマホを使いすぎない。耳は爆音を避けて静かな場所で過ごすようにするなど、若い頃からメンテナンスを怠らないことだ。そうしなければ失った後に後悔することになるだろう。

後回しにせずすぐやる重要性

パッと見は大したことがないように見えて、その実大変破壊的な損害を与える思考がある。それが「後でやろう」と今すぐ行動しないことである。

今すぐやらないことの弊害はあまりにも過小評価されすぎている。だが、人間が亡くなる瞬間に最も後悔することは「挑戦しなかったこと」であり、すなわち人生の質にダイレクトに直結してしまうインパクトがある。

若い頃にやれることはドンドン前倒しで片付けていく「すぐ動く習慣」を身に着けておくことが重要である。なぜなら誰しも若い時が最も行動力があり、その習慣を磨かずに年を取るとドンドン億劫になり、行動することを恐れ、ますます行動できずにひたすら枯れていく人生になるからだ。

人がすぐ行動しない理由は主に2つだ。1つ目はリスクを恐れてしまうこと。もう1つは面倒くさいから。肌感覚でざっくり言えば後者がほとんどである。そのデメリットを正確に理解していないからこそ、安易に後回しにしてしまうのである。

まずリスクを恐れて挑戦しなければどうなるか? ほぼ確実に将来、「やっておけばよかった」と後悔することになる。

多くの場合、「今すぐでなくてもいい」と考えることには有効期限がある。英会話がやりたいと思ってもできるか不安でやらずじまいだと、仕事や家庭が忙しくなってもはやゆとりを持って英語の勉強に専念できる次の機会は数十年先となり、その頃には完全に意欲を失っているということも十分ありえる。また、「まだ時期ではない」と転職機会を見送っていたら、もはやポテンシャル採用が許容されない年齢になってしまいもう転職できなくなってしまうのだ。

また、面倒くさくて気になるお店は今すぐ行かないとなれば、行きたい時には閉店してしまうし、ずっと実家に寄り付かないまま両親は認知症や病に倒れてもはや一緒に旅行や食事もできなくなる。

人間は挑戦して失敗した後悔は年月の経過でいい思い出になる。だが、その逆にやらなかった後悔は月日の経過でドンドン自責の念が大きくなり続ける。

やっぱり才能より努力

世の中、あまりにも「人生は運と才能次第」と言われすぎており「個人が多少努力したところで無意味」という風潮がある。だが自分はまったく異なる考えを持っている。

確かに運や才能は努力以上の力を持つ文脈は数多く存在する。自分はこの事実を否定しない。生まれつき抜群に頭がいい人がいることはよく知っているし、少々努力したところで優秀な人にはかなわない。だが、「才能や運ですべて決まる」という暴論者の見落としている視点がある。それは「凡人は必ずしも強者と勝負をしなくても良い」という事実だ。

外資系金融や大手ITテックには高学歴、高キャリアのハイスペ人材が集結する。おそらく凡人は逆立ちしても彼らにはかなわないだろう。

しかし、別に天才と勝負する以外にも道がある。自分自身、極めて凡庸で特別才能があるわけではないし、実家が太いとか千載一遇の好機に恵まれたという運も良かったと感じることはない。しかし、勝てる場所を探して勝ってきたことで、自己満足的にいい人生を送れていると思っている。

世の中はいろんな人、いろんな仕事がある。自分が勝てる場所は必ずあるので、その小さな世界で勝者になればいい。それだけで十分豊かに、自己肯定感を得て生きていけるのだ。

そして才能や運に恵まれない者同士で勝負する世界においては、差をつける最もパフォーマンスが高い活動が「努力」である。難解な高等数学や物理学がわからなくても、簡単な計算問題で勝負できる世界に身をおいたなら、計算ドリルを人よりたくさん解いた人が勝負に勝つ。

また、ネイティブスピーカーのような英会話ができなくても、仕事で通用する英語力を身につけるくらいなら本当に努力だけで誰にでもできる。人より抜きん出るなら1つでもたくさん英単語やフレーズを頭に入れておく方が有利なのは明白であり、それを作るのは努力に他ならない。その努力すら放棄して何もしない人は少なくない。だが、むしろこれはチャンスだ。「人生は運と才能のゲーム」と腐って何もしない人を努力で超えてしまえばいい。

特に学習の優位性が顕著なのが若い頃である。学力を高めるには知能指数的な高さも重要でないとは言わない。しかし、自分と同じくらいの学力の集団の中で努力量を増やせば頭一つ抜きん出ることができる。たとえばパッとしない大学でも、そこで腐らずに必死に努力してトップを取れば返済不要な奨学金を得たり、学費免除で留学にいかせてもらえてチャンスを掴める。

また、会社も全員が東証一部上場企業に行く必要はない。あくまで規模の小さな会社で努力をして上を目指せば、うまくいけば大手企業の平社員よりよい待遇、良いキャリアを積めることも現実的だ。

自分の話で言えば、人生でまともに運動なんてしたことがないし腕相撲も勝てた経験がない。「自分は強いフィジカルに恵まれずに生まれてきた」と思いこんでいた。しかし、今年からプライベートジムで鍛えだしたことで、元々ジャストサイズだったシャツを着ると腕周りがピチピチにきつくなるくらい腕が太くなったことに驚いた。自分はボディビルダーと勝負する予定はない。過去の自分と比べて、今は過去最高に強い自分を作れたのは努力の結果だと思うのだ。

人生は可能性に挑戦するゲームである。自分で浅い根拠で勝手に限界を決め、早々に腐ってしまったら人生はそこで終わりである。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。