文部科学省は、公立学校教員の「教職調整額」を現行の月給の4%相当から13%に増額する案をまとめ、2025年度予算に計上する計画を進めているそうです。
これは教員の繁忙化に対応するもので、小学校の教科担任を増やすなど業務軽減策も含まれます。財務省との調整が難航する可能性もありますが、実現すれば約50年ぶりの改正となる見込みです。
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現職の教員からは「給特法」による定額働かせ放題が継続しているという批判も。「給特法」は、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」の略で、公立学校の教育職員の給与や労働条件を定めた法律です。時間外勤務手当や休日勤務手当を支給しない代わりに、月給の4%相当を「教職調整額」として支給することが規定されています。
外部から見ると謎の手当もありますが、現状ではそれだけ担任ができる教員が減ってきているということなのかもしれません。
教員は大変な仕事なのは理解しているがなぜ教員だけなのかという声も少なくありません。行政には説明責任があります。
給与増が教員の負担を増やす可能性があり真面目に働く教員ほど職務の負荷が増えるリスクがあるという指摘もみられます。
1学級の定員を減らす35人学級実現のときも財務省が難色を示したと言われますが、立ちすくむ文科官僚に対して萩生田光一文部科学相(当時)の剛腕が大きかったと言われています。待遇改善をほんとうに望むならイデオロギー対立をしている場合ではありません。
参照:公立小学校、1学級上限35人で合意 文科・財務相 40年ぶりの定員一律引き下げ 日経新聞
教員人気の陰りは周知されていますが、文科省と教育委員会の対応・対策はどこかズレています。
教職の問題というよりここでも日本的な硬直化した雇用問題が原因なのかもしれません。
残業代アップで解決するのでしょうか。教職員自身が、自分が求めているものをはっきりさせないと求めているものは手に入りません。