毎日新聞によると、菅元首相が小泉進次郎氏の指示を決めたらしい。支持者が40人いるとも伝えられ、イメージの悪化した自民党の「選挙の顔」としては最適だろう。
<スクープ>菅義偉前首相、小泉進次郎氏を支援へ 自民党総裁選https://t.co/QUh4Nq6Jg4
関係者によると、菅氏は「進次郎に決めたから、よろしく頼む」と周囲に電話で伝えたといいます。「小泉・菅体制」が固まったことで、総裁選の構図に影響を与える可能性があります。
— 毎日新聞 (@mainichi) August 22, 2024
「2030年度に温室効果ガスを46%減らす」という約束はどうなったのか
しかし小泉氏といえば誰もが思い出すのは、環境相のころのレジ袋有料化とこれだ。
彼は政府が「2050年カーボンニュートラル」と2030年46%排出削減を決めたときの責任者だが、その数字には何の根拠もないことを告白した。
このとき「46%削減は無理だ」とエネ庁も認めていたが、第6次エネ基では2030年の電力需要が2013年に比べて20%減ることにして数字の辻褄を合わせた。
ところが最新のエネ庁の予想では、次の図のように電力需要は2023年をボトムとして2030年には約5%増え、結果的に2013年とほぼ同じだ。これからデータセンターやAIで、電力消費が増えるからだ。
第7次エネルギー基本計画はゼロから見直せ
第6次エネ基の予想は20%も電力需要を過小評価し、再エネを電源の38%にするなど、非現実的な数字を前提にしていたので、現実には46%減らすのは不可能だ。おそらく20%も削減できないだろう。
つまり小泉氏が4年前に約束した「46%削減」はまったく実現不可能なのだ。こういう非現実的な数字を掲げて再エネに補助金をばらまいた結果が、秋本真利の収賄事件や再エネタスクフォースの解散などのスキャンダルである。
おまけに「電力需給逼迫警報」は毎年のように出るし、電気代はどんどん上がる。この根本原因は、原発事故におびえた国民に迎合して原発を止め、非現実的な数字を目標にした政府にある。
電力が足りません。
原発が最も稼働する関西や九州エリアでも需給逼迫が起きています。太陽光の増加と自由化による「火力の撤退」が拍車をかけており、非常に危険な状態です。こうした状態を招いた現行の「無責任な電力の供給体制」を改めるべきです。https://t.co/miGR1apNLD— 幸福実現党政務調査会 (@hr_party_prc) August 21, 2024
現実には再エネの電源比率は(水力を含めても)20%前後で頭打ちになっている。この状況で原発を止め、石炭火力を廃止すると、電力供給に大きな穴があいてしまう。
政治家は、自分の言葉に責任をもつべきだ。小泉氏はまず間違ったエネルギー政策を撤回して謝罪し、第7次エネルギー基本計画をゼロから考え直すべきだ。拙著の第5・6章では、政府のエネルギー政策の誤りを簡単に解説した。