韓国でも実感したウーバーの便利さ

他の国でも同じですが、ソウルでも移動はウーバーが大活躍です。ソウルの料金は日本と比べると半額くらいのイメージでした。

ウーバーアプリから乗車場所と目的地を入力するだけで、運賃が表示され、混雑する時間帯でなければ数分以内に配車された車が到着します。

ソウルのドライバーのほとんどは英語も日本語も話せませんでした。ほとんど無言なのに目的地に間違えなく連れて行ってくれるサービスは本当にありがたいものです。

ソウルではウーバータクシーという名称でタクシーがウーバーで呼ばれた乗客を運んでいるようで、ほとんどの場合にタクシーメーターが付いていました。

しかし、メーターを使うことはなく、アプリに表示された金額で運賃は固定されているので、安心です。

ウーバーHPより

日本の自民党総裁選でもライドシェアが政策論争のテーマの1つになっているようですが、日本では規制緩和が一向に進みません。抵抗する見えない力が働いているようです。

タクシー業界の利権を守り、乗客の安全性を確保したいというなら、せめて大都市圏では新規参入を制限する代わりに需給に応じた価格調整ができるようにしてはどうでしょうか?

日本でも乗車区間を入力したら金額が乗車前に表示されるようにする。そうすれば固定料金ではなく、時間帯や天候などに応じて価格を柔軟に調整できます。

海外では当たり前のことですから技術的には問題ないはずです。

このシステムは日本人だけではなくむしろ海外からの観光客にとってはとても便利です。

日本ではタクシーをアプリや路上で呼んでも目的地を正確に伝えるのは簡単ではありません。また、金額がいくらかわからないのも不安です。

現状の固定料金で実車率が上がらないよりも、価格調整によって需要を確実に取り込んで稼働率を上げる方が収益を向上させることができると思います。

これはタクシー運転手の不足の解消にも繋がります。収入が増えればタクシー運転手になりたい人が増えるのは確実だからです。

乗客にも、ドライバーにも、タクシー会社にも三方よしというのは甘い考えでしょうか?

日本でも「なんちゃってウーバー」ではなく、本当のウーバーを早く利用できるようになって欲しいものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年9月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。