ビジネスの鍵は外見と内面のバランス

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IT業界で生き抜き続けている著者による、ゴルフとIT企業経営の経験を融合させ、仕事と人生の再起動を提案する一冊。

スランプに陥ったビジネスパーソンに向け、ゴルフから学んだ忍耐力、集中力、戦略的思考をビジネスに活かす方法を紹介しています。

パーフェクトスイングは存在しない:ゴルフとビジネスに共通する成功への本質」(友野憲一/ゴマブックス)

[本書の評価]★★★(70点)

【評価のレべリング】※ 標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★  「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★   「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★    「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満

見た目に惑わされない眼力

ゴルフ場ではその人の本質が見えると、友野さんは言う。

「『人は見た目が9割』(竹内一郎著/新潮新書)という本がありました。読んでなくてもタイトルくらいは耳にしたことがあるでしょう。確かにそういう側面はあります。みなさんの家に飛び込み営業の人間が来たとして、その人がいかにも悪臭が漂ってきそうな不潔な格好だとしたら、話を聞く気にはならないでしょう」(友野さん)

「清潔感は必要ですし、相手に好印象を与えたいのであれば見た目にも気を遣わないといけません。確かに見た目は重要なのですが、こういう経験はありませんか?すごく怖そうな人、ちょっとしたことでも怒りそうに見える人が、じつはすごく優しくて良い人だった。そういう人に会ったことが一度くらいはあるのではないでしょうか」(同)

また、誠実そうに見える人が、とんでもなく悪どいことをする人だったこともある。友野さんは、だからこそ、人の本当の姿を見極める必要があると指摘する。

「ここで役立つのがゴルフです。ゴルフではおもしろいくらいその人の人間性が見えます。『穏やかそうに見えるのに、ミスショットするとこんなに怒る人だったのか』『イメージどおり、相手に対する気遣いがとてもできる人だな』など剥き出しの人間性が見えるのです。 私自身もそういう経験があります」(友野さん)

「ゴルフをご一緒した人で『この人、怖そうだな』と思う人がいました。服装もどことなく反社会的組織の人に見えるようなイカツイ格好をしています。しかし一緒に回っていくうちに『こんなに真摯に接してくれて優しい人はいない』と感じました。 そこから親しくなって、友人関係を築くことができています」(同)

ビジネスの第一印象は非常に重要

筆者の知人で数店舗の美容室を運営している人がいる。美容師は「見た目を重要」する職業である。そこには、ビジネスに通じる本音が垣間見える。

ヘアサロンの入口からお客様が入ってきた時、まず「オシャレ」であるかどうかが重要である。初めてのお客には担当が付かないのでオシャレで魅力的だと気合が入るそうだ。このお客は手を抜けないぞ!と思うわけである。

オーナーがいれば「この人はオシャレだからトップスタイリストに担当させよう」と思うかも知れない。オシャレでないお客なら「この人はジュニアスタイリストでいいかな?」と判断するかも知れない。見た目のインパクトは大きいと言える。

では、ビジネスシーンでの第一印象とはなにか?

  • 清潔感がある
  • スーツにアイロンのプレスがかかっている
  • 髪型がちゃんと整っている

などが挙げられる。お見合いを考えれば分かりやすい。お見合いの席に、ヨレヨレのスーツにボサボサの髪で登場したら相手はどのように思うか? ビジネスも同じである。

人は先入観を持ちやすい。本人に会ってもいないのに、勝手に評判だけでその人が判断されることもある。

ビジネスで上を目指すのであれば、見た目の印象が大きな影響を及ぼすことを覚えておきたいものである。

尾藤克之(コラムニスト・著述家)

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