袴田冤罪事件:記者クラブの新聞、テレビ、通信社は冤罪製造と人治の共犯者

よくもまあ、上から目線でこんな記事を書けるものです。

悪質な冤罪が多発生し、全然それが是正されないのは警察、検察、司法と癒着し、その走狗となって被疑者=犯罪者扱いし、被疑者を追い込んできた記者クラブメディアの責任が大きい。

ぼくは今年、会員である日本ペンクラブは不思議なことに記者クラブの問題に何も発言ししてきませんでした。ぼくは桐野会長や重鎮にもなぜペンクラブがこの件で動かないのか、動くべきだとお話しましたが、現状なんのアクションも起こされていません。

法治国家の根幹揺るがす冤罪 「誤りうる司法」直視を 日本経済新聞

袴田巌さん無罪、法治国家の根幹揺るがす冤罪 「誤りうる司法」直視を - 日本経済新聞
「捜査手法は厳しく批判され、反省されなければならない」。1968年、袴田巌さんに死刑を言い渡した静岡地裁判決は13行に及ぶ異例の「付言」で指摘した。この事件が他の再審無罪事件と異なる大きな特徴は、当初から捜査が問題視されていたことにある。事件発生から58年一審の同地裁は取り調べが強引だったとして45通の自白調書のうち4...

「捜査手法は厳しく批判され、反省されなければならない」。1968年、袴田巌さんに死刑を言い渡した静岡地裁判決は13行に及ぶ異例の「付言」で指摘した。この事件が他の再審無罪事件と異なる大きな特徴は、当初から捜査が問題視されていたことにある。

だが、無辜(むこ)の市民に罪を背負わせ、真犯人が訴追から免れる冤罪は法治国家の根幹を揺るがす。刑訴法の改正と冤罪を発見・救済する仕組みづくりは急務だ。

警察、検察、司法の記者クラブは取材機会を囲い込みブラックボックス化することで甘い汁を吸っています。当局のご機嫌を取ればリークのおこぼれがあるので、尻尾を振って、彼らのシナリオ通りに「報道」をするわけです。

被疑者=犯罪者の体で指名や顔写真をさらされて社会的に抹殺されます。当局に異を唱えると、リークがもらえず、特オチという「罰」を与えられます。ですから犬畜生よろしく、尻尾を振って媚を売るわけです。

松本サリン事件や多くの痴漢冤罪もそうやって記者クラブが共犯でした。

オウム真理教関連では松本被告らの電話の盗聴音声がメディアで流れましたが、ソレやっているのは公安ですよね。本来漏らしてはいけない操作情報を記者クラブにリークすることで、自分たちの筋書きに沿って世論を誘導してきました。まさにジャーナリズムではく、当局の威を借りる岡っ引きです。

日本の場合法令を無視した、人治が警察や検察、司法で行われていますが、それを記者クラブメディアは正面から批判してこなかった。のみならず、会見その他の取材機会から非会員を締め出すことで、情報を独占し当局と癒着してきた。

袴田巌さん NHKより

黒川元東京高検検事長と記者クラブ記者の賭博事件などその好例でしょう。

【独自】「軽い気持ちで賭けマージャン続けた」…黒川元東京高検検事長が後悔の供述 刑事裁判記録が本紙請求で開示:東京新聞 TOKYO Web
在職中に知人の新聞記者ら3人と賭けマージャンをしたとして、今年3月に東京簡裁から賭博罪で罰金20万円の略式命令を受けた黒川弘務・元東京...

在職中に知人の新聞記者ら3人と賭けマージャンをしたとして、今年3月に東京簡裁から賭博罪で罰金20万円の略式命令を受けた黒川弘務・元東京高検検事長(64)が、東京地検特捜部の捜査に対し「違法な行為であることは当時も分かっていたが、軽い気持ちで賭けマージャンをした」と供述していたことが、本紙の請求で開示された刑事裁判の確定記録で分かった。

今回の記者らとは旧知の仲で、2019年の検事長就任後は、記者の自宅に月3、4回集まった。「『点ピン』という高くはないレートで、接待マージャン的な要素もなく、仲間内の娯楽の延長という感覚でいた」と供述した。

一方、取材対象者とマスコミという関係上、対等ではなく「私を中心とした会合の側面もあった」とし、帰宅時に記者のハイヤーに同乗し、取材の場を提供していたことを認めた。「私が賭けマージャンをやめようと言えば3人は応じたはず」と説明し、「軽い気持ちで続けたことを大変後悔し、反省している」と述べている。

黒川氏は当時の政権と近いと言われ、「定年延長問題」では検察と官邸との関係に疑念が持たれた。

監視すべき「権力」と馴れ合って「犯罪行為」をおこなっているのが記者クラブです。この件は非記者クラブ会員である週刊文春がすっぱ抜いたから、しょうがなく新聞など記者クラブメディアも報じたわけです。

こんな人治の野蛮な土人の国に、米国が自国市民である米兵を容疑者として引き渡すわけがないでしょう。日米地位協定が改正される理由がありません。

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。

European Security & Defenceに寄稿しました。
JGSDF calls for numerous AFVs within Japanese MoD’s largest ever budget request

東京新聞にコメントしました。
兵器向け部品の値段「見積り高めでも通る」 防衛予算増額で受注業者の利益かさ上げ 「ばらまき」と指摘も

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年9月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。