ネガティブ思考が不幸を引き寄せるは本当か?

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ある日本人青年が、米国滞在中に老富豪と出会い「幸せなお金持ちになる秘訣を学んでいく過程を描き、話題となった「ユダヤ人大富豪の教え」(大和書房、本田健著)という書籍がある。思考と感情が人生にどのような影響を与えるのかを解説したい。

ユダヤ人大富豪の教え」(大和書房、本田健著)

[本書の評価]★★★★★(90点)

【評価のレべリング】※ 標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★  「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★   「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★    「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満

思考と感情を理解する

金持ちは日常的に豊かさや新しいチャンス、楽しいイベントのことを考える一方、お金に縁のない人は月末の支払いやイヤな上司、リストラ話など、貧困につながるようなことばかりを考えていると説く。

「自分の思考がどれだけ大切か理解できれば、成功するまでの時間は早くなります。自分が将来やりたいことしたいことにフォーカスしましょう。ある研究では人は1日に数万個のことを考えることが分かっています。思考の大部分が破壊的なことであれば人生は好ましくないものになります」(本田さん)

情報が思考をつくり思考が人生をつくるため、「素晴らしい人生を生きたければ、頭に幸せの元になるような考え方を入れなければならない」と、本田さんは説いているのである。

では、ネガティブな感情に陥っている人に接すると、どのような影響を受けるのか。

「ある日、友人が『自分の病気のこと』を話し出しました。きっと、あなたは話を聞いているうちに、居心地が悪く落ち着かない気分になっているはずです。ネガティブな感情が湧くのは、望んでいないことを友人が話しているからではありません。心の奥で感じていた不安が、ただ単に引き出されたにすぎないのです」(本田さん)

不安に焦点を当てない

あなたが「健康でいたい」と考えたとする。不安は「病気にかかりたくない」になる。「お金が欲しい」と考えたとする。その不安は「お金のない生活をしたくない」になる。「不安」に焦点が当たりやすくなることを理解すべきである。

いま、望まない経験をしているなら、望まない何かに意識が向けられていないかチェックすることが望ましい。願望を達成させたければ、自分の思いをチェックすること。思考が人生を形づくり、感情が人生をコントロールしていることを理解すべきである。

多くの人は、人生で変化を起こすのが怖い。だから、現状の生活にしがみつく。それが、自分の幸せにつながらないと分かっていても変えることが難しいのである。

人が行動を起こすとき、必ず感情が影響する。よい感情であれば、適切な行動を取ることができ、悪い感情を抱くと適切な行動を取るのが難しくなる。自分の感情に意識を向けよう。自分の感情が変化していくのが実感できるはずである。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

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