「勉強会のリピーター」という勿体ない人

資産運用で明らかな事は、正しい方法で続けないと成果が出ないということです。多くの人が投資で失敗するのは間違った方法で投資を続けているからです。

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例えば、集中投資によるリスクの取りすぎは相場の急変動時に大きな損失となり、大きく資産を減らして投資の世界から撤退せざるを得なくなります。あるいは短期の感情的な売買を繰り返していても、勝てる確率は50%以下ですから長期的には資産を減らすばかりです。また、投資のタイミングを考えていると、高値掴みになってしまいます。

このようなやってはいけない投資をやめるだけで、投資の成果を飛躍的に高めることができます。だから投資を始める前に、このような正しい知識をしっかり身に付けておくことが大切です。

しかし、せっかくセミナーや書籍で正しい知識を身に付けても、それを実践しなければ実際の成果には繋がりません。

私の勉強会やセミナーにも、何回も通ってくる個人投資家の方がいます。いつまでたっても投資を始めない「勉強会のリピーター」と呼んでいます。

頭でっかちに知識が身に付いていても、それを全く役立てていない、インプットばかりしていて、いつまで経ってもアウトプットをしない勿体ない人です。勉強好きの真面目で頭の良い人に多いタイプです。

頭の良い人は言い訳が得意です。投資をやらないネガティブな理由ばかり考えて、失敗を恐れてリスクを取らない。リスクを取らなければ資産を減らす失敗はしないかもしれません。でも、資産を増やすこともありません。

インフレになれば何もしなくても資産の実質的な価値は下がっていきます。気が付かないうちに、「リスクを取らないリスク」を取ってしまうのです。

金利が上がる、世界情勢が不安定、不動産価格が割高、、、投資に対するネガティブなやらない理由を上がればキリがありません。しかし、そのような懸念が完全に払しょくされるのを待っているうちに時間が過ぎていきます。

インプットが完全に終わってからアウトプットを始めるのではなく、インプットしながらアウトプットも並行してやっていく。資産運用では「走りながら考える」という発想がとても大切です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年10月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。