どの部分が事実無根なのか
ひろゆき「萩生田光一が神様=文鮮明の国にと発言」萩生田事務所「事実無根」
ひろゆき氏がX(旧Twitter)にて「統一教会で、教会長と一緒に信者に説教をしたり、「一緒に日本を神様(教祖・文鮮明)の国にしましょう」と言ってた自民党の萩生田光一議員が、衆院選挙で非公認になる模様。統一教会とズブズブな議員が認められないのは当然だよね。」と投稿。
これに対して萩生田光一事務所アカウントが「該当する投稿は、当方が完全に否定している内容を基にしたものであり、事実無根の情報を含んでおり、当方の名誉を著しく毀損するものです。」「もし、該当する投稿が直ちに削除されない場合、法的措置を含む対応を検討せざるを得ません。」と指摘しました。
過去に「12年間に毎月2回の講演」や「説教」の事実を萩生田は否定
“一緒に日本を神様の国にしましょう”自民・萩生田光一政調会長が旧統一教会の関連団体で講演していた記録を独自入手【報道特集】 TBSテレビ 2022年8月20日(土) 18:56
自民党 萩生田光一 政調会長
「2009年から12年の間に、毎月2回教会を訪れて私が講演をしたり、青年部の皆さんに説教していたと書いてあるんですけど、こういう事実は全くありません」
「12年間に毎月2回」ものスパンで教会を訪れて講演をした事実、青年部に「説教」をした事実を、萩生田議員は否定していることがTBSの記事でも書かれています。ひろゆき氏の投稿は、このTBS記事や動画の画像を示しながら行われたものです。
その後に書かれている内容は、単発の講演依頼の事実の証明にはなっていますが、「12年間に毎月2回の講演」や「説教」の事実を示すものではありません。
さらに、ひろゆき氏の今回の投稿には、異なる内容があります。
ひろゆきは「教会長と一緒に信者に説教、統一教会の教祖・文鮮明を神様」と言及
ひろゆき氏の発言は、「萩生田氏が教会長と一緒に信者に説教をした、統一教会の教祖・文鮮明を神様と同一視している」という内容であり、このことはTBSでも言われていません。
TBS記事では元統一教会信者の発言であるとする内容に「萩生田さんはその『ご父母様』と言うのですけれど、教祖のこと。」という部分がありますが、この部分からも萩生田氏が文鮮明を神様と同一視しているとは言えません。
萩生田氏が自民党から非公認となるのは政治資金パーティー収入の収支報告書不記載関係
そして、今回の衆議院総選挙において萩生田氏が自由民主党から公認されないこととなった理由は、自民党の派閥の政治資金パーティーを巡って政治資金収支報告書への記載をしなかったことが背景にあり、当該不記載問題に関して政治倫理審査会での説明責任を果たしていないことが重要な要素とされています。
よって、ひろゆき氏の「統一教会とズブズブな議員が認められないのは当然だよね。」という投稿部分は、自民党が萩生田氏を非公認とした理由として統一教会と深い関係にあることによるとした内容であり、この点も萩生田事務所の言う「事実無根の情報」に含まれていると思われます。
したがって、ひろゆき氏の発言はTBS報道よりも更に野放図な内容であるため、萩生田氏がTBSに対して法的アクションを行っていないとしても、それはひろゆき氏の発言の正当性や萩生田氏の行動の矛盾を示すものではありません。
実際の事実関係は第三者が知りようもありませんが、こうした違いがあることは押さえておく必要があると言えます。
編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2024年10月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。