「日本のサンセバスチャン」になれる街は「野毛」だけではない

スペインにサンセバスチャンという街があります。美食で知られ、ミシュラン三つ星レストランなど有名店がたくさんありますが、私にとっての最大の魅力はバルホッピングです。

昔ながらの街並みの市街地にたくさんのバルが密集しており、それらを何店舗もはしごするのがとても楽しいのです。

ピンチョスと呼ばれる軽いおつまみをチャコリという地元名産のお酒で合わせるのが定番です。

1000円から2000円程度で軽く食べて飲んで、また次のお店に行く。リーズナブルで気軽で美味しいお店がたくさん集まっているからこそできる楽しみです。

これとよく似ているのが横浜の野毛です。私は勝手に「日本のサンセバスチャン」と呼んでいます。

駅前のぴおシティという昭和の雰囲気で漂う雑居ビルの中には、立ち飲みのカジュアルな居酒屋が並んでいます。

こちらもサンセバスチャンと同様、1つのお店に長いはせず、次々とお店を巡っていくのがお約束です。

野毛にはぴおシティ以外にも、路面店がたくさんあり、こちらを開拓するのも楽しいものです。

赤羽や新橋など野毛に良く似た街はたくさんありますが、最近見つけたのは御徒町です。

朝8時からやっている老酒舗というお店は、有名な味坊集団の経営です。朝食を食べに来ている地元の人がほとんどですが、中には私のように朝からボ
トルのワインを注文している人もいます。

昼前には一旦閉店してしまいますが、お昼前になると御徒町エリアにはたくさんのお店が次々とオープンし、バルホッピングができるようになります。

大統領、文楽といった有名店はいつも満席ですが、少し待つとすぐ入れます。

大統領で私の隣に座った男性はもつ煮込みとレモンサワーだけで15分ほどの滞在。1,000円札でお釣りをもらって帰っていきました。まさにバルホッピングのお手本です。

アメ横にも飲食店が増えており、30分2杯までという制限がある日本酒の立ち飲みは1杯500円から600円で銘酒が飲めて、魚介珍味が食べられるお気に入りのお店です(写真)。

今回も4軒ホッピングして、会計は1人5,000円ほど。御徒町バルホッピングはサンセバスチャンに負けず劣らず、安くて楽しいです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年10月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。