大手有名企業のSDGsに違和感を感じる理由

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国内線のフライトに乗った時、到着後に機内から出る際、飛行機のシェイドを下ろすのに協力するようCAさんからアナウンスがありました。

機内の空調費用を節約するためのSDGsの一環だそうです。

SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略で、気候変動、貧困、紛争、感染症といった人類の課題を解決するために立てた目標のことです。

無駄な空調による温暖化防止のためにやらないよりはやった方がマシなのかも知れませんが、であればドリンクサービスの紙やプラスティックのカップや、プレミアムクラスのお弁当の容器などもSDGsして欲しいものです。

SDGsという名を借りた自社の利益確保のためのコストカットが本音ではないか。そんな風に感じた私はひねくれ者なのでしょうか。

毎日愛用しているスタバでも似たような気分になることがあります。アイスコーヒーを注文するとき、何も言わないと紙製のストローが出てきます。気持ちが悪いのでいつもプラスティックに交換してもらいますが、なぜそこだけ?とツッコミたくなります。

紙製のストローをデフォルトにするなら、フラペチーノのカップやふたも全部紙製にしてはどうでしょうか?

SDGsを標榜する大手不動産会社グループの仲介会社からは毎日のように大量のDMがポストに投函されています(写真)。こちらから資料依頼をした記憶はありませんから、登記簿謄本を調べて所有者の住所に手当たり次第に送ってきているようです。

旅行などで数日ポストをチェックしないと、不動産会社からのチラシやDMだけで満杯になって郵便物が入りきらなくなることもあります。こうなるとSDGsどころか一種のハラスメントです。

SDGsと聞いて違和感を感じるのは、サステナブルな社会を作るために環境問題などに企業努力をしていますとアピールしながら、実際は建前だけで本気でやっているとは思えない企業姿勢です。

そこには大企業の横並び意識が見え隠れしていて、なんだか白けた気分になってしまうのです。

そもそも、地球温暖化の原因は本当に人間の化石燃料消費によるものなのか。それさえ仮説に過ぎず、科学的には証明されていません。

みんながやっているからという同調圧力ではなく、自分なりに納得した上で環境問題への対応を考え実践したいといつも思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年10月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。