イスラエル軍は26日未明、イランの軍事施設に対する「正確な」攻撃を実施したと発表しました。この攻撃は、10月1日にイランがイスラエルに対して行った大規模ミサイル攻撃に対する報復とみられています。
攻撃を受けたために反撃を行うという連鎖が続く中、次第にその規模が拡大し、全面戦争に発展する可能性も懸念されていました。
今回の攻撃を受けて、イスラエル軍報道官は「イスラエルが他の主権国家と同様に自国と国民を守るために必要な対応を行う権利と義務がある」と強調しています。「われわれはイスラエル国家とイスラエル国民を守るために必要なことは何でもするつもりだ」とも。
イラン側も首都テヘラン周辺で複数の爆発音が聞こえたと報じており、シリアでも同様の爆発音が確認されましたが、被害の規模はまだよくわかっていません。
アメリカはこの攻撃について事前に通知を受けていたとされています。アメリカ国家安全保障会議(NSC)の報道官も、イスラエルの対抗措置について把握していると述べています。
今回の攻撃は軍事施設のみが対象であり、核施設やエネルギー施設は含まれていないとのことです。首都テヘランでは防空システムによる爆音が確認されましたが、地上での被害報告はなく、空港も通常通り機能しています。
ただしイスラエルの今回の攻撃の目標はまだ判然としていないようです。
イスラエルはイランを空爆しているだけでなく、イラクやシリアも攻撃している。その標的は、イランの資産であると同時に、テヘランが支援する民兵である可能性が高い。
これは、イランの報復能力を低下させるためだけに行われているのか、それともイスラエルがイラン以外の地域を攻撃しているのは、イランそのものに対する攻撃が小規模になりそうだからなのか、疑問が残る。
中東の混乱は日本にとって他人事ではありません。