私は兵庫県民ではないので、今秋の選挙には外野として、ヤジを飛ばす程度の参加しか出来なかった。ただ、その結果は、旧来の選挙戦の概念で戦ってきた組織票を持つ側の常識を覆す戦いとなり、大変に興味深かった。
私は票数が拮抗し、当確が出るのは早くても深夜ではないかと予測していたが、大手メディアをはじめマスコミの出口調査の結果、ゼロ打ちで斎藤元彦前知事の再選が決まった。
今回の選挙結果によって、地元兵庫県のサンテレビは、メディアの報道のあり方を反省する発言を行い、地上波テレビ局として、禊を行った。
新聞各社も、斎藤前知事の当選を渋々報道している。まあ、報道機関なので、話題の選挙は結果を淡々と伝えることが仕事だから。そして注目すべきはこれからで、果たして、報道各社は、今までのように斎藤知事についてのネガティブキャンペーンを継続するだろうか? メディアの報道に乗っかって、斎藤知事批判を繰り返してきた県議会議員はどういう反応をするだろう?
更に、ことの発端となった県民局長の文書に、情報として県知事のパワハラ、おねだりを見聞きしたと証言した県職員は、どう言う対応をするのだろうか? 百条委員会は終わっていない。現在の予定だと百条委員会の検証結果は来年の3月頃に判断が下されると言われている。もし、百条委員会の内容次第で、事実確認を求められたら県職員はどう言うのだろう?話題はそちらに移っている。
県議会、県職員、マスコミを巻き込んだ今回の茶番劇は、事実確認も為されないまま、情報開示もされないまま、県知事の再選という形で幕を閉じるのだろうか?
様々、興味は尽きないし、斎藤知事の支援者は、今回の県知事再選で幕引きにすることはないだろう。これだけ県政を混乱に陥れた元凶は、やはり追求される必要がある。
巷間、5期続いた井戸県政の問題点が解決されないまま、県政の改革に取り組んだ斎藤知事が貶められたと言う説が出回っているが、それを陰謀論と片付けるのではなく、様々な利権や既得権の温床があり、それが県政を歪めてきたとするなら、兵庫県政の立て直しはやっていかなければいけないし、少なくとも今回の知事選に関わった人たちは、これからの行く末を見届ける責任があると思う。
腐った県政を立て直すことを第一義として、今回の県知事選が県の内外の多くの人を巻き込んでしまい、一種の混乱を生じさせたことは紛れもない事実であり、その混乱は収させ次の段階を目指す責任があると思うのだ。その責任は県政に直接関わる県知事でも県議会でもない。実は他でもない兵庫県の有権者ではないのか?
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以後、続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。