まったく印象が異なる
モーニングショー「女性の胸に銃」韓国戒厳報道
12月3日深夜から4日未明にかけて実施された韓国の戒厳に関する報道で、モーニングショーなどメディア*1が「女性の胸に銃」という画像を用いていました。
が、これは複数の角度から韓国の報道各社の動画がネット上で公式配信されており、それを見るとかなり印象が変わります。
野党共に民主党報道官の政治家アン・グィリョン元アナウンサー
まず、この女性は元アナウンサーであり、野党「共に民主党」の報道官で、選挙に立候補もしたが落選した政治家のアン・グィリョン(安貴朎・안귀령 )です。*2*3
「ただの女性」ではありません。
突如、彼女が兵士の装備品を引っ張ったことから事が始まりました。
群衆から出てきた兵士に絡みだし、装備を引っ張っていた
OhmyTVの上掲動画では3h32mくらいから。
別角度から撮影されているNadujamTVの動画では1h33m過ぎから。
こちらの方が前後の状況が分かりやすいです。
以下の状況が確認できます。
- アン・グィリョンが軍人に掴み掛かった原因は「兵士が銃口を向けた」ではない
- この段階では銃は下げられたままだった
(銃口を上げるスペースが物理的に存在しない状況から始まっている) - 彼女らが別の兵士らを押した後に当該兵士の装備品を引っ張って絡んできたので揉み合いに発展した
- 当該兵士は後退している
- にもかかわらずアン氏が制止を振り切って前進している
- 装備から手を離されても直後にまた装備を掴みに行っている
(銃は、その先を一瞬だけ掴んでいる程度か) - 彼女が手を離した瞬間から2秒程度のみ銃口が身体に向けられていた
映像の左側から彼女が他の群衆と共に兵士らを押しているのが分かります。
この時、装備を掴まれた兵士は彼女と接触しておらず、画面の手前に居ます。
彼女はこの兵士を視認していません。
画面右側で一瞬だけ見切れますが、直後に彼女が当該兵士の胸元の物を掴み出しています。装備品のコードと思われるものが視認できます。周囲が「アン・グィリョン」と言っていることも動画では分かります。
ここから冒頭の画像のシーンに繋がるのですが、他にも彼女の声のトーンや、その後の発声などから感ぜられるものはあると思われます。
きっかけを作ったのはアン・グィリョンの方であり、兵士は装備を掴まれたから否応なしに対応せざるを得なくなったとしか見えません。
琉球新報の「米兵が記者に銃口」を想起させる印象操作か
令和4年に琉球新報が「米兵が記者に銃口」と題して記事を出して印象操作をしていましたが、それを想起させる報道事象です。
訓練の動画は琉球新報が撮影したものが公開されているのに、なぜかこの兵士が銃口を向けたとする部分はこの画像のみで、銃口が向いていない事を隠しているとしか思えない見せ方でした。
「軍人が守るべき市民に銃口を向けている」という構図はセンセーショナルなので「そういうこと」にしたいメディアの人間が多いですが、日ごろからSNSを「アテンションエコノミー」とバカにしていることと何が違うのか?
怒りを掻き立てる「レイジエコノミー」の起源は、マスメディアではないのか?
*1:https://archive.md/jYGUA
*2:https://www.huffingtonpost.kr/news/articleView.html
*3:https://en.namu.wiki/w/%EC%95%88%EA%B7%80%EB%A0%B9
編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2024年12月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。