本年度の補正予算が成立しました。
今年度の補正予算が成立 自民 公明 維新 国民などの賛成多数で
以前から申し上げているように、現在の本来の意味と違う巨額の補正予算は百害あって一理なしです。
まず、補正予算は本来編成時に想定していなかった突発的な支出を手当するものです。ところが安倍政権以来、便利な財布として使われています。
本予算と比べて成立が簡単なので楽に予算を通すことができる。これは国会軽視でもあります。
そして与党は、本来本予算で要求すべき予算を補正で要求することで、本予算を小さく見せる世論操作をしているわけです。
そのツケは将来の国民に押し付けられます。
防衛省の補正予算を見ていきましょう。
防衛省計上額:8,268億円です。
ですがそのうち、本来の補正予算の趣旨の予算は僅かです。
○ 人的基盤の強化 845億円
人事院勧告に伴う人件費の増額分(388億円)
円安に伴い不足する外貨関連経費(380億円)
合計768億円程度です。
○ 隊員の生活に直接関わる生活用の備品等の整備
・ 隊舎居室の個室化 6億円
・ 寝具、洗濯機、冷蔵庫等の整備 14億円
○ 作業服等の整備 11億円
○ 隊舎等の生活環境の整備 148億円
○ 庁舎及び整備場等の勤務環境の整備 238億円
○ 空調設備の整備 38億円○ 佐賀駐屯地(仮称)の整備 380億円
○ 各駐屯地・基地等の通信網及び電気・水道設備等の整備
(埋設化・複ルート化) 83億円
○ F-35の運用に係る施設の整備(飛行指揮所、格納庫等) 50億円 等○ 災害対処器材、非常用発電機、UAV等の整備 22億円
○ 基地防災対策等 20億円○ 航空機及び艦船の運用態勢の早期確保による対処能力の向上 1,863億円
○ 03式中距離地対空誘導弾(改善型)の早期整備をはじめとする各種弾薬等の確保 398億円
○ 新たなドローン対処器材の導入 57億円
○ 空母艦載機の移駐等のための事業 1,377億円
(馬毛島における係留施設、滑走路に係る施設整備等)
○ 普天間飛行場の移設 835億円
普天間飛行場代替施設の建設等 826億円
普天間飛行場補修事業 9億円
○ 嘉手納以南の土地の返還 1,068億円
(米軍施設・区域の返還を進めるための移設先の整備)
○ 緊急時の使用のための事業 27億円
(築城基地における滑走路延長に係る護岸工事等)
上記の予算7500億円程は別に降って湧いたような支出ではない。本来、本予算として計上して国会で厳しく審議されるべきものです。
このような安倍晋三が始めた補正予算の悪用は国を歪めて、財政赤字を更に増やすだけです。結果として円は弱くなり、インフレは更に進んでGDPの6割程度の個人消費はさらに落ち込むでしょう。
これに多くの野党が異議を申し立てないというのは、暗澹たる気持ちになります。バラマキ政策しかできない野党には存在意義がありません。
【本日の市ケ谷の噂】
防衛医大では承認を受けないバイトをしている医官が多くいる。本来、未承認のバイトは懲戒処分になるべき案件だが、みな見て見ぬふりをしている。何処か一か所のバイトの申請をおこなえば、2か所目のバイトで報酬を得てもバレないため、2か所目、3か所目のバイトを行っている者は多い。これは腕を磨こうと他流試合であるバイトをしようと申請しても承認が下りない弊害。清住哲郎などは、職場にいることが仕事などと言い、部外研修やバイトをしたことが無いと公言。
世間一般では医師のバイトは常識的に行われています、医官のバイトを批判するのはバイトが出来ない事務職員のやっかみが殆ど。ただ、一部はバイトで本業をおろそかにする医官も存在する、との噂。
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
防衛(参考資料)
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料
防衛
防衛(参考資料)
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年12月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください