「自分の収入=周りの友達5人の平均年収」となる理由

経営コンサルタントの大前研一氏は人間が変わる方法は3つしかないと述べています。

<人間が変わる3つの方法>

  • 時間配分を変える
  • 住む場所を変える
  • 付き合う人を変える

確かに付き合う人を変えることによって、人生が変わるのは否定できません。

例えば、大学時代に麻雀好きの友人と付き合えば、きっと勉強しなくなります。同じ会社に長年勤務していると、社内の同僚とばかり付き合い、時間と共に社風に染まってしまいます。

それと同じように、自分の収入が友達5人の平均年収と同じという話を聞いて、お金持ちの友人と付き合えば年収が増えると思っている人がいます。

確かに、仕事で成功して高い収入を得ている人たちと付き合えば、ビジネスのやり方や、時間の使い方など学べることがたくさんあるかもしれません。人を紹介してもらって、自分の仕事に活かすことができるかもしれません。

しかし、まだ実績もなくそれほど収入のない人が、高収入の人たちと付き合いたいと思って近づいていっても、怪しまれるだけで恐らく相手にされないはずです。

また、付き合おうと思っても生活スタイルが違い過ぎて、お金の使い方についていけないかもしれません。そんな人たちと無理に友達付き合いできたとしても楽しくないし、きっと長続きしません。

お金持ちと付き合えばお金持ちになれるというのは、あまり現実的な話ではありません。

この話を聞いて、私は原因と結果が逆なのではないかと思いました。

お金持ちと付き合うからお金持ちになれるというより、お金持ちになったからお金持ちと付き合うようになった。だから周りの人の年収の平均と同じになったと考えるべきなのです。

だから付き合う人を変えるためには、まず自分が変わらなければならないのです。これは考えてみれば当たり前のことです。

しかし人間がそれまで生きてきた長い間の人生のパターンを変える事は簡単なことではありません。

人生を変えたいと真剣に思ったら、まず必死に努力をして、自分から変わる方法を考え実践することが必須なのです。

Charnchai/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年12月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。