中古のフェラーリを買おうと思う「もう1つの理由」

小学校の頃にスーパーカーブームの頂点だったというスーパーカー世代の私にとって、フェラーリは憧れの車の1つです。ただ、毎日乗るようなものではなく、特別な日に乗ってみたい。そんな非日常のスポーツカーです。

そんなフェラーリですが、買ってみようかと考えるようになりました。といっても、その思った理由は遊びに使うのではなく、別のところにあります。

購入しようと思っているのは新車ではなく、4年落ちの中古車です。

国税庁が定める自動車の減価償却期間は6年で、4年落ちになると12か月(1年)で全額償却することができます。

例えば4年落ちの2000万円の車を法人名義で買えば、毎月約170万円ずつ法人税の課税対象額を圧縮することができるのです。

しかも、購入したフェラーリは自分で乗るだけではなく、リース事業として貸し出しをすることも可能です。リースによって入ってきた収入が経年による価値の下落より大きければ、フェラーリに乗りながら資産を増やすという夢のようなことも可能です。

売却するときには減価償却によって簿価がゼロまで下がってしまいますから、売却代金に対して税金がかかります。厳密には節税と言うより税の先送りになります。

中小企業の羽振りの良い経営者がポルシェやフェラーリといった高級車を乗り回し、数年ごとに買い替えをしているのを見ると、景気の良い会社の社長の道楽と思うかもしれません。

確かに、そのような能天気な経営者がいるのも事実ですが、中には高級車を購入することで税金対策をしている人もいるのです。

スーパーカーだけではなく、運転手付きの社用車を乗り回したり、レンタカーやカーリース事業を始めたりする経営者は、もしかしたら儲かりすぎた本業の税金対策をしているのかもしれません。

だから、もし私がフェラーリを乗り回してるのを見てもアホでバブリーな経営者ではなく、いつも会社の財務を筋肉質にすることを考えている真面目で働き者の経営者だと思ってください。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年1月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。