ツッコミどころ満載な新ドラマ「プライベートバンカー」

ネットフリックスでプライベートバンカーという新作ドラマを見つけました。調べてみると、こちらのドラマは、地上波と並行して放映されるプログラムのようです。

唐沢寿明さんが演じる「プライベートバンカー」が、庶民の味方となって、凶悪をやり込める痛快さがウリのようです。

まだ第一話しか公開されていませんが、ドラマの設定を見ているとリアリティーがない部分が多く、ドキュメンタリーやサスペンスよりもコメディーの側面が強い作品と思いました。

私も10年以上前にスイス系のプライベートバンクで仕事をしたことがありますが、そもそもプライベートバンカーとは「バンカー」ですから銀行員です。少なくとも日本では、銀行免許を持っている会社で働いている富裕層担当者のことを指します。

このドラマの主人公は、組織に所属せずフリーで金融ビジネスをやっている設定です。プライベートバンカーではなく「金融ブローカー」あるいは「金融コンサルタント」といった表現が的確です。

また、初回に登場する袴田吉彦さんが融資担当者の銀行員を演じていますが、髪型が「3年B組金八先生」になっています(笑)。自分らしさが認められるようになった令和になっても、おそらくこのような髪型の銀行員はいないはずです。銀行員というよりナニワ金融道やウシジマ君の世界に見えてしまいます。

他にも、お笑いグループの片割れやお金配りおじさんが出てきたり、セリフ棒読みなキャスティングが多く、団子屋の若女将もミスマッチな気がしました。

そもそも「地面師たち」のようなリアリティーを追求するのではなく、コメディータッチで金融リテラシーも身に付くようなドラマを目指しているのであれば、このようなキャスティングで話題作りができれば狙い通りなのかもしれません。

第2回目以降、果たしてどんなネタで勝負してくるのか?怖いもの見たさで続けて視聴しようと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年1月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。