東京都が民間病院に300億円の財政支援:過剰な医療は温存され続けるのか

東京都は、新年度予算案において、都内の全民間病院を対象に総額300億円を超える財政支援を実施する方針を決定しました。この支援は、物価高や人件費の上昇、患者数の減少などで悪化する病院経営を支え、医療提供体制の安定確保を目的としていますが、その効果に疑問の声があがっています。

参照:東京都、都内の全民間病院に総額300億円超の財政支援へ…医療提供体制の安定確保へ 読売新聞

コロナ禍や物価高の影響で経営が厳しいとされる病院に対し、入院患者1人あたり1日580円を給付し、高齢患者の病床確保や小児科・産科の支援に巨額を投じるとのことですが、これが本当に医療業界全体の改善につながるのでしょうか。

小池百合子都知事インスタグラムより

むしろ、問題の根本は医療機関が過剰に乱立している現状や、一部の病院が非効率な運営を続けていることにあるのではないでしょうか。

また、都内の民間病院は全体の9割を占めているとされますが、そこに一律で金をばら撒くのではなく、淘汰と再編を進めることこそ、長期的には持続可能な医療体制の構築につなります。

さらに、東京都が「安定的な医療体制を支えるため」として財政支援を急ぐ理由についても、本当に必要性・緊急性があるのか疑問です。

最低賃金の高さや物価上昇などの要因を強調していますが、これは医療業界に限らず、多くの業種が直面している課題です。なぜ医療業界だけが特別扱いされるのか、その根拠についても大きな疑問が残ります。

ただし、足りないからもっと配ってほしいという人も少なからずいます。

ことしの東京都議会選挙に向けて、小池百合子都知事のバラマキに余念がないようです。

短期的な人気取りのために都債を大量発行し、返済を未来の世代に押し付けることのないよう、慎重な議論をしてほしいものです。

参照:都知事選、「都債増発で公約実現」の落とし穴 東京都が「財政再生団体」に転落してしまう? 土居 丈朗