大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。すでに資格を持っている人はもちろん、資格を取って独立したい人や資格に興味がある人に必読のQ&Aを、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書資格起業バイブル』から、再構成してお届けします。
今でも最強の集客・販売ツールはメルマガである
『Q.メルマガが重要と聞きましたが、本当でしょうか? ブームは終わったとも聞いています。
横須賀先生や他の成功している士業の先生は、「メールマガジンが重要である」と主張されていますが、なぜ重要なのかわかりません。毎回メルマガを書くのは大変ですし、それにメルマガのブームはもう終わったと聞いたのですが……。』
「メルマガブームは終わった」という声を聞くようになって長い年月が経ったように感じます。
メルマガがブームとなったのは、おそらく2002年から2003年頃であり、それ以降はブログやSNSなどの台頭によって「もう、メルマガブームは終わった。これからはソーシャルメディアの時代だ」といわれるようになりました。
本当にメルマガブームは終わったのかといえば、メルマガを出すだけで売上が伸びるという一過性のブームは終わったといえます。メルマガが大流行した時期は、ただメルマガを発行するだけで勝手に読者が増え、広告依頼なども自然と増えました。文字通り、「メルマガを出すだけで儲かった」時代もあったのです。しかし、そういったブームは今現在ではもう過ぎ去ってしまったといえるでしょう。
しかし、ブームが過ぎ去った今でも、なおメルマガは最強のツールであると断言できます。もし、あなたが売上を伸ばしたいと思っているなら、今日からでも遅くはないので、メルマガを始めるべきです。そのくらいメルマガは重要なツールです。
なぜ、ここまで断言できるのかというと、ブログやフェイスブックやツイッターなど他のITツールとはまったく違う一面をメルマガが持っているからです。
その違う一面とは、「メルマガだけは唯一、自分の都合で相手のメールボックスあてに情報発信ができる」というものです。ブログを更新しても、ツイッターでつぶやいたとしても、「相手が興味を持って見たい、読みたい」と思ってくれない限りは見てもらえません。
これに対して、メルマガは相手のメールボックスまでたどり着いてあなたのことを知らせてくれます。よくよく考えると大胆なことなのですが、こういった行為が可能になるのはメルマガだけなのです。
顧客リストの重要性について知っておこう
成功する士業と成功できない士業の違いを挙げよ、といわれるとそこにはさまざまな要因があるのですが、そのひとつに顧客リストの重要性について知っているかどうか、というものがあります。言い換えると、成功している士業はこの顧客リストの重要性についてしっかり理解しているということです。
顧客リストがあることによって、メルマガを出すことができます(あるいはニュースレターという場合もあります)。こうすることによって、「今すぐにお客様にならない人」をつないでおくことができるのです。このように顧客リストを集め、いつでも情報発信できる状態にしておくのが成功の分かれ目になります。
ここで、さらにわかりやすくするために、事例を挙げましょう。
たとえばアナログ営業で成功するパターンは、名刺交換した人、これまでのお客様の顧客リストを管理し、1ヶ月に一度ニュースレターを出します。これが「つながり」です。今顧問税理士がいる会社も顧問契約はすぐに解消できないけれど、来期からは税理士を変えたいと思っている場合もあります。それまでの「つながり」をこの顧客リストでつくります。
単発系の士業でも同じです。今は必要ない司法書士への登記依頼や行政書士への許認可依頼なども、いつかは依頼する可能性があります。それまで「つながり」を持たせることができるのが、顧客リストなのです。
名簿の整理から、毎年何名のリストが増やせるかが成否の鍵
いったん顧客リストが集まり、メルマガを配信できるようになればあなたのことを忘れずにいてもらえますし、セミナーの集客をすることもできるようになります。
セミナーは今後の士業にとって極めて重要な営業手法ですが、ブログやソーシャルメディアなど「誰かが興味を持たない限りは見てくれない」媒体では集客するのは難しいといえます。正直、私もブログだけで何十名も集客するのは不可能です。私自身、100人を超えるセミナーの企画もしますが、メルマガがなければ定員の半分も集められないでしょう。そのくらいメルマガは重要なツールなのです。
この重要性に気づいたら、これまで名刺交換した人たちの名簿やこれまでのお客様の名簿をしっかり整理して、メールマガジンを送れる体制を作り出してください。そして、アナログにインターネットに顧客リストを集める仕組みを作り出すことです。
1年後、あなたが必死になって新しく500名以上の顧客リストが取れた場合、おそらく10から20名程度のセミナー集客は簡単でしょう。さらにこれが1,000名、2,000名となれば、30名、40名を超える規模のセミナーも十分集客できるようになります。
仮に、もしあなたがこういった顧客リストの整理・収集をしなければ、来年になっても再来年になっても、「お客様をどうつかまえるか」「どのようにして売上を伸ばすか」と悩むでしょう。
今からでも遅くはありません。顧客リストの収集とメルマガの配信をぜひ始めてみてください。
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横須賀 輝尚 パワーコンテンツジャパン(株)代表取締役 特定行政書士
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ1,700人以上が参加。著書に『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、『士業を極める技術』(日本能率協会マネジメントセンター)、他多数。
会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業 | 横須賀輝尚 https://www.amazon.co.jp/dp/B08P53H1C9
公式サイト https://yokosukateruhisa.com/
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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年12月2日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。