昨年1年間に首都圏で発売された新築マンションの平均価格は7820万円で、前年より3.5%下回りました。
東京23区では、3億円を超える高額物件の発売が減少した影響で、平均価格が1億1181万円と2.6%下落しました。しかし、2023年3月には首都圏全体で新築マンションの平均価格が1億円を超え、東京23区では平均価格が初めて2億円を突破しました。その要因として、東京都港区にある総戸数1002戸の「三田ガーデンヒルズ」と総戸数389戸の「ワールドタワーレジデンス」という超高額物件の販売が挙げられます。これらの物件が全体の平均価格を大きく引き上げていました。
一方、地域別では東京23区以外の地域である神奈川県、埼玉県、千葉県でも価格上昇が続いています。
昨年の新築・中古合わせた発売戸数は約2万3000戸と、調査開始以来最少となったそうです。これは都心部の用地不足や建設現場の人手不足による工期の遅延が影響しており、歴史的な低水準となっているためです。
マンション価格の上昇により、価格が年収の10倍を超え実需層が取り残されるとの指摘もあります。特に富裕層や海外から人気が高い都心の高額物件には、値上がりを期待した投資マネーが流入し、価格上昇の要因となっています。
さらに、パワーカップルの住宅ローンで購入可能な物件や、富裕層が現金で購入する高額物件は底堅い動きを見せている一方で、中価格帯の物件は投資家によるローン利用が主流でリスクが高まっている可能性があります。
また、建設費が下がる見込みがないため、新築マンション価格が再び過去最高水準に達する可能性があるといわれています。
そして、立地条件による選別が進み、価格の二極化が鮮明化しています。
首都圏の平均価格は8千万円を下回り前年を下回りましたが、それでもコロナ禍以降の高水準が続いています。東京23区に限ると、1億円を超える価格帯が継続しています。
それでも私たちは新築マンションを求め続けるのでしょうか。