朝日新聞『トランプ大統領令でトランスジェンダーの子どもの医療を制限』とデマによる印象操作

大統領令の中身を改変し、アメリカの社会的事件などが隠蔽されている

朝日新聞『トランプ大統領令でトランスジェンダーの子どもの医療を制限』

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1月29日、朝日新聞が『トランプの大統領令でトランスジェンダーの子どもの医療を制限』というタイトルの記事を出していました。

あからさまなデマによる印象操作です。

19歳未満の全ての子供への性別移行手術やホルモン治療など不可逆的医療介入の制限

https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/01/protecting-children-from-chemical-and-surgical-mutilation/

Protecting Children from Chemical and Surgical Mutilation – The White House
By the authority vested in me as President by the Constitution and the laws of the United States of America, it is hereby ordered: Section 1.  Policy and

当該大統領令は【PROTECTING CHILDREN FROM CHEMICAL AND SURGICAL MUTILATIONEXECUTIVE ORDER January 28, 2025】というものです。

冒頭の大統領令の目的には以下書かれています。

Section 1. Policy and Purpose. Across the country today, medical professionals are maiming and sterilizing a growing number of impressionable children under the radical and false claim that adults can change a child’s sex through a series of irreversible medical interventions. This dangerous trend will be a stain on our Nation’s history, and it must end.

第1条 政策と目的 現在、国中で、一連の不可逆的な医療介入によって子供の性別を変更できるという大人の過激で誤った主張のもと、医療専門家が感受性の高い子供達を傷つけ、不妊手術を施すケースが増えています。この危険な傾向は、我が国の歴史に汚点を残すことになるため、終わらせなければなりません。

irreversible medical interventions=不可逆的な医療介入が対象です。

決して一般的な医療を制限するものではありません。

禁止されているのは19歳未満の児童に対する性別移行のためのホルモン投与や身体的外観を自認する性別に変更するための外科的処置、生物学的機能を最小限にする処置のことです。そして、それらに対する保険適用や公的機関からの資金提供も禁止するとしています。この事は朝日新聞記事の本文でも書かれていますが、タイトルではそれが分かりません。

何のことはありません。これは、英国の小児科医であるヒラリー・キャス医師がNHS(国民医療サービス当局)から受託してまとめた通称「キャス報告書」*1*2で子どもに対してホルモン療法・乳房切除手術・陰茎切除手術などを行うことは好ましくないとされたことと基本的な認識を共有しています。

「19歳未満の児童」ですから、「トランスジェンダー」に限定されていません。

本当はそうではない子供がトランスジェンダーを自称してホルモン投与を受けたり乳房切除の外科的処置を受けたりしている実態があるのです。

既に26以上の州で、子どもや若者に対するジェンダー治療が制限されています。

朝日新聞は記事本文でもずっと「トランスジェンダー」と限定していました。アメリカでは自称しさえすればトランスジェンダーと呼ぶ風潮があるからなのかもしれませんが、本来、性自認とは一時的な自己認識では足りませんから、そのような言葉の意味や用語法によって正当化できるものではありません。

大統領令に明示的に書いてある内容を勝手に「トランスジェンダー」に限定した内容として報道するのが許されていいのでしょうか?

アメリカでは一時的な気の迷いや特別視されたい承認欲求からトランスジェンダーを自称する若者が増加

アメリカでは一時的な気の迷いや特別視されたい承認欲求からトランスジェンダーを自称する若者が増加し、不可逆的な手術や薬物投与を受けて後悔する、ということが社会問題となっています。そのような行為を奨励する大人、過激なトランスジェンダリズムの存在もあります。

それはアビゲイル・シュライアー氏の原題 “Irreversible Damage” =「トランスジェンダーになりたい少女たち」で詳細に描写されています。本書は、KADOKAWAが出版準備をしていたのに諦め、後に産経新聞出版から発行された際も丸善ジュンク堂が放火予告などの脅迫を受けて実店舗での取り扱いを中止し、一部ネット通販サイトでも取り扱いが為されなかったという背景があります。

朝日新聞記事では、大統領令がこうした米国社会の背景を念頭に置いているということが分からない様になっています。

こうした話題は大手メディアは取り上げず、ほとんど世の中に存在しないこととされているのと同様の言論空間が生まれていました。

*1:The Independent Review of Gender Identity Services for Children and Young People
*2:NHS commissioning » Independent review into gender identity services for children and young people


編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2025年1月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。