雪化粧の京都・嵐山散歩

昨日、仕事で大阪に来ていました。せっかく関西まで来たので一泊して京都にでも行こうか、と漠然と考えてはいたもののどこに行くかはあまり考えていませんでした。

そんな折到来した今年一番の寒波。京都は一日雪だという予報を聞いて、ならば一度雪化粧した景色を見てみたかった嵐山に行くことにしました。

泊まったホテルがある大阪市の塚本駅はこの状況。

大阪を出たときは降っていなかった雪が、京都駅ではこの状況。さほど離れていない両都市でこれだけ天気が違うというのは驚きです。

そして、東海道線(京都線)は定刻通り動いていましたが、京都駅から嵐山方面に向かう山陰本線(嵯峨野線)は雪で踏切支障があり不通になっていました。多くの外国人観光客の方が困っている様子。

こういうとき代替手段をなかなか知ることができないのが外国の方にとっては辛いところ。私は京都駅から地下鉄に乗って烏丸御池駅乗り換えで太秦天神川駅に向かい、嵐電に乗って嵐山駅に向かいます。

太秦天神川駅では路面がすっかり雪化粧していました。嵐山方面に向かおうとする乗客の行列が長く伸びています。外国人観光客もいましたが多くは地元の方のよう。私のようにJRが動かないのでここまで来た方も少なからずいたようです。

ただ、いかんせんこの時間の嵐電は一両編成。さばける乗客の数には限りがあります。わたしも1本目は乗れず、2本目にようやく乗ることができました。

嵐電に揺られて雪の嵐山駅に到着したころには雪が本降りになっていました。嵐山には何度も来ていますがこんな雪の日に来たのは初めてです。

駅から渡月橋に向かう道を歩きます。9時半ごろで普段であればもう多くの観光客で賑わっている時間なのですが人影はまばらです。

休日には渡ろうとする人が車道まであふれかえる渡月橋もご覧の通り。風の通り道となる桂川を渡る風にさらされるのを避け、渡る人はとても少ないです。

どこもかしこも真っ白に雪化粧して、普段白が際立つ嵐山のゆるキャラ「月橋渡」くんもびっくりですね。

月橋渡くんのHPより。

橋の入り口では観光客の方が滑って転ばないように地元の方総出で除雪が行われていました。本当におつかれさまです。

さて、そんな雪の嵐山。ほとんどの観光客が向かうのが竹林の小径です。私も一年に一度見られるかどうかのこの景色を見に向かいます。

竹に吹きつけられた雪が残り普段とは違う表情を見せてくれます。青々とした竹林も美しいですが白く雪化粧した竹林もまた幻想的で素晴らしいです。

縁結びの神様で知られ、修学旅行シーズンには多くの女子中高生で賑わうの野宮(ののみや)神社もこんな雪景色。あまりに人影が少なかったので参拝。息子の縁結びを祈願してきました。

竹林の小径の間を走る山陰本線(嵯峨野線)の線路も雪をかぶっています。嵐山に観光客を運ぶ大動脈ですがまだ運転は再開されていないようです。

線路を越えた先は嵐山エリアから嵯峨エリアに変わります。観光客は少ないとはいえ竹林には人が集まっていたのですが、嵯峨に入ると本当に人がいません。

今日は他の用事もあったので時間があまりなかったのですが、人のいない嵯峨の風景も見てみたいと雪にまみれながら歩きます。向こうに見えるのは落柿舎。松尾芭蕉の弟子である向井去来の草庵で、松尾芭蕉が嵯峨日記を現した場所でもあります。茅葺屋根に雪が積もっている姿が印象的でした。

せっかく来たので中も拝見したかったのですが、10時開館のはずなのに閉館のままで開く様子がありませんでした。これも雪の影響でしょうか。

それでも時折雪は舞う。

落柿舎の開館を待っていたら少しずつ天気が回復してきました。小倉山方面に青空が見えてきます。さっき渡った踏切を渡ろうとしたところ警報機が鳴り、電車が復旧したことがわかりました。

帰りはその復旧したばかりの山陰本線(嵯峨野線)に乗って嵯峨嵐山駅から電車に乗りました。休日なのに駅は信じられないほど閑散としていました。電車も復旧したのでこれからどっと観光客が押し寄せるのでしょう。

雪化粧の嵐山も、圧倒的に人が少ない嵐山も珍しく、雪にまみれながらも新鮮で楽しい散歩になりました。いつも雪がある場所ではないので、このタイミングで京都を訪ねることができてよかったと思いました。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年2月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。