ワイン通がストックしている「お宝ワイン」を突然飲み始める訳

Liudmila Chernetska/iStock

私の周りにいる同世代の人の中には、私などとは比べ物にならない位ワインが大好きな人たちがたくさんいます。

 

知識も圧倒的ですが、ストックしているワインも桁違いで、今買えばボトルで数十万円するようなものを当たり前のようにたくさん持っています。

そんな人たちが最近ストックしているお宝ワインを飲み始める。そんな機会に誘われることが多くなりました。

長年集めてきた貴重で高価なワインコレクションの中からワインを惜しげもなく開けて、ワイン付きの友人たちに振る舞う。とてもありがたい事ですが、集めたものをなぜ急に飲み始めるという心境の変化はどこにあるのでしょうか?

いくらワインが好きでも年齢を重ねるとともに体力も落ち、昔のようにワインを大量に飲めることもなくなっていきます。

私も30代40代に比べると酒量も減りました。60歳であれば、ワインを美味しく飲めるのはあと20年位ではないでしょうか。

もしかしたら、それ以前に自分の人生が終わってしまうこともあるかもしれません。

そう考えると、自分の好きなワインを大切に保管していても、結局飲まずに終わってしまう、あるいは美味しく飲めない可能性が高まるのです。

であれば、自分の体力があるうちに、好きなワインを好きな仲間と飲んだ方が良い。

そんな人生の新たなフェーズに入ったのだと思います。

DIE WITH ZERO』というベストセラーがあります。資産を残すのではなく、死ぬまでに使い切ってゼロの状態にしようという生き方を提唱しています。

ワイン好きの友人たちも、この本が提唱する生き方を実践しようとしているのです。

私も、好きなワインがあると次々と購入してしまい、イギリスにあるセラーに保管して管理してもらっています。好きなワインを大切にし過ぎて飲まないまま人生を終えて後悔することのないようにしなければいけません。

ワインは飲まなければ、自宅に置いておくと部屋が狭くなり、外部に預けていればセラーの保管コストがかかる。飲まなければマイナスの価値しか生み出さないものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年2月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。