米ニュースチャンネルCBSの司会者が、マルコ・ルビオ国務長官とのインタビュー中に、「言論の自由が大量虐殺のために武器化された」と発言し、欧州の過剰なSNS検閲を批判し、極右政党支持者の意見が尊重されるべきだと示唆したバンス副大統領の演説内容を批判しました。
Rubio defends Vance's Munich speech as CBS host suggests 'free speech' caused the Holocaust https://t.co/43tLMnSyLF
— Fox News (@FoxNews) February 16, 2025
ルビオ氏、CBS司会者が「言論の自由」がホロコーストを引き起こしたと示唆する中、ヴァンス氏のミュンヘン演説を擁護
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バンス副大統領インスタグラムより
先日、バンス氏はミュンヘン安全保障会議にて、現状のEUの政策が「言論の自由」を侵害していると痛烈に批判し、それが欧州大陸にとって中国やロシアよりも深刻な脅威となっていると警告しました。
【新着記事】アゴラ編集部: 米国副大統領がEUのSNS検閲に警鐘:「極右」政党への差別的対応を批判 https://t.co/eXt6YU5m91 #アゴラ
— アゴラ (@agora_japan) February 15, 2025
バンス氏は特定の政党への支持を呼び掛けたわけではありませんでしたが、選挙期間中であるドイツの与党政府は極右政党といわれるAfDへの支持表明だとして不満を示しています。
「ショルツ氏、ヴァンス氏の演説に不満。
『ドイツは非常に強力な民主主義国家だ』と首相は付け加えた。『極右勢力は政治的に制御不能であるべきだ』
『これらの政党と協力するようアドバイスするのは他人ではない』
ワシントンとベルリンの間に亀裂が生じている?」
— Yuji Kawakubo (@yujikawakubo711) February 15, 2025
ドイツ首相 米バンス副大統領の極右政党めぐる発言を強く批判https://t.co/Ehz3Vwt6Fo #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) February 15, 2025
CBSのマーガレット・ブレナン氏は、「言論の自由」を求めるバンス氏の演説内容が「言論の自由が大量虐殺のために武器化された国」であるドイツへの配慮に欠けると指摘しました。
ブレナン氏はあたかも「言論の自由」がホロコーストの原因であると示唆しており、この発言に対してルビオ氏は即座に反論しました。
BRENNAN: Vance was standing in a country where free speech was weaponized to conduct a genocide, & he met with the head of a political party that has far-right views & historic ties to extreme groups
RUBIO: I have to disagree with you. Free speech was not used to conduct a… pic.twitter.com/7I6JEAuyMt
— Aaron Rupar (@atrupar) February 16, 2025
ブレナン:ヴァンス氏は、言論の自由が大量虐殺を行うための武器にされている国に立ち、極右の見解を持ち、過激派グループと歴史的につながりのある政党の党首と会談した。
ルビオ:私はあなたの意見に反対せざるを得ません。言論の自由は大量虐殺を行うために使われませんでした。大量虐殺は独裁的なナチス政権によって行われました。ナチスドイツには言論の自由はありませんでした。ナチスドイツには反対勢力もありませんでした。
ナチスドイツは公権力を用いユダヤ人のみならず、人種マイノリティや性的少数者を迫害しました。
迫害された人々には「言論の自由」はありませんでした。
1933【ユダヤ人迫害の開始】
1933年ナチス政権獲得後すぐに迫害がはじまる。34年最初の強制収容所設置。35年ニュルンベルク法により公民権を奪う。36年ロマ(ジプシー)迫害の開始。38年大規模な反ユダヤ暴動(水晶の夜)。各国は脱出するユダヤ人の受け入れに消極的だった。pic.twitter.com/quvHZxdCPX— 詳説世界史年表 (@chronicle_2010s) November 16, 2024
世界恐慌で苦しむ人々の支持を得て政権に近づいたという意味では、ナチスのような極端な意見も許される「言論の自由」がナチス台頭の可能性を生んだと言えるのかもしれません。
しかし、1933年の全権委任法の可決で、反対意見を表明する野党が解体されたことで、ドイツではホローコストにつながる反ユダヤ的な政策が取られるようになりました。
その意味では、「言論の自由」の存在ではなく、その喪失こそがホロコーストの原因だったと言えるのではないでしょうか?
自民党副総裁が学ぶべきとした「ナチスの手口」の本質とは「全権委任法」。国会を無力化し、政権が好き勝手に法や制度を決められる法律。何でも閣議決定で好き勝手に決める自民党政権の姿は、正にナチスの手口そのもの。党の支配下で、政府は人権侵害抑圧機関に。野党も廃止。繰り返されてはならない。 https://t.co/en6LMFTLRk
— 小沢一郎(事務所) (@ozawa_jimusho) April 1, 2024
バンス氏を批判するためだけに編み出されたブレナン氏の論法には、批判の対象となった本人も驚きを隠せません。
This is a crazy exchange.
Does the media really think the holocaust was caused by free speech? https://t.co/EBUKx75Wfm
— JD Vance (@JDVance) February 16, 2025
これはクレイジーなやり取りだ。 メディアは本当にホロコーストが言論の自由によって引き起こされたと考えているのでしょうか?
ドイツでの極右政党の台頭は、既存政党が有権者のための政治ができていないことが関係しています。有権者の生活をどうするかについては話さず、条件反射的に極右政党を「ナチス」だと批判するドイツ政府の姿勢がそのことを如実に表しています。
ドイツ極右政党AfD、一般化支える労働層有権者
極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は、今月実施される総選挙で最高の結果を残す可能性がある。反移民を掲げるAfDは国家を統治しうる本格的な勢力になれるか。https://t.co/cJj5dUPzYz
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) February 16, 2025
ドイツ政府を含めたEUの過剰な言論統制は、米欧関係を揺るがす懸念があります。
Insulting someone is not a crime, and criminalizing speech is going to put real strain on European-US relationships.
This is Orwellian, and everyone in Europe and the US must reject this lunacy. https://t.co/WZSifyDWMr
— JD Vance (@JDVance) February 17, 2025
誰かを侮辱することは犯罪ではないが、言論を犯罪とすることは、欧州と米国の関係に深刻な負担をかけることになるだろう。 これはオーウェル的であり、ヨーロッパと米国の誰もがこの狂気を拒否しなければなりません。