米ニュースチャンネルCBSの司会者が、マルコ・ルビオ国務長官とのインタビュー中に、「言論の自由が大量虐殺のために武器化された」と発言し、欧州の過剰なSNS検閲を批判し、極右政党支持者の意見が尊重されるべきだと示唆したバンス副大統領の演説内容を批判しました。
ルビオ氏、CBS司会者が「言論の自由」がホロコーストを引き起こしたと示唆する中、ヴァンス氏のミュンヘン演説を擁護
バンス副大統領インスタグラムより
先日、バンス氏はミュンヘン安全保障会議にて、現状のEUの政策が「言論の自由」を侵害していると痛烈に批判し、それが欧州大陸にとって中国やロシアよりも深刻な脅威となっていると警告しました。
バンス氏は特定の政党への支持を呼び掛けたわけではありませんでしたが、選挙期間中であるドイツの与党政府は極右政党といわれるAfDへの支持表明だとして不満を示しています。
CBSのマーガレット・ブレナン氏は、「言論の自由」を求めるバンス氏の演説内容が「言論の自由が大量虐殺のために武器化された国」であるドイツへの配慮に欠けると指摘しました。
ブレナン氏はあたかも「言論の自由」がホロコーストの原因であると示唆しており、この発言に対してルビオ氏は即座に反論しました。
ブレナン:ヴァンス氏は、言論の自由が大量虐殺を行うための武器にされている国に立ち、極右の見解を持ち、過激派グループと歴史的につながりのある政党の党首と会談した。
ルビオ:私はあなたの意見に反対せざるを得ません。言論の自由は大量虐殺を行うために使われませんでした。大量虐殺は独裁的なナチス政権によって行われました。ナチスドイツには言論の自由はありませんでした。ナチスドイツには反対勢力もありませんでした。
ナチスドイツは公権力を用いユダヤ人のみならず、人種マイノリティや性的少数者を迫害しました。
迫害された人々には「言論の自由」はありませんでした。
世界恐慌で苦しむ人々の支持を得て政権に近づいたという意味では、ナチスのような極端な意見も許される「言論の自由」がナチス台頭の可能性を生んだと言えるのかもしれません。
しかし、1933年の全権委任法の可決で、反対意見を表明する野党が解体されたことで、ドイツではホローコストにつながる反ユダヤ的な政策が取られるようになりました。
その意味では、「言論の自由」の存在ではなく、その喪失こそがホロコーストの原因だったと言えるのではないでしょうか?
バンス氏を批判するためだけに編み出されたブレナン氏の論法には、批判の対象となった本人も驚きを隠せません。
これはクレイジーなやり取りだ。 メディアは本当にホロコーストが言論の自由によって引き起こされたと考えているのでしょうか?
ドイツでの極右政党の台頭は、既存政党が有権者のための政治ができていないことが関係しています。有権者の生活をどうするかについては話さず、条件反射的に極右政党を「ナチス」だと批判するドイツ政府の姿勢がそのことを如実に表しています。
ドイツ政府を含めたEUの過剰な言論統制は、米欧関係を揺るがす懸念があります。
誰かを侮辱することは犯罪ではないが、言論を犯罪とすることは、欧州と米国の関係に深刻な負担をかけることになるだろう。 これはオーウェル的であり、ヨーロッパと米国の誰もがこの狂気を拒否しなければなりません。