冷戦の終わり以来最悪の安全保障危機

ヨーロッパは冷戦の終わり以来もっとも暗い一週間を過ごした。アメリカのトランプ大統領が一方的にウクライナ戦争の終結を宣告したからだ。

これが本当にアメリカのヨーロッパからの撤退を意味するのか、またヨーロッパ各国がどう対応するかはまだわからないが、それが一つの時代の終わりを告げたことは確実だ。

今ヨーロッパは、大きな安全保障の危機に直面している。ウクライナが切り捨てられ、アメリカがロシアと和解に向かう中、NATOの信頼性が揺らいでいる。これに対し、ヨーロッパは軍事費を増やし、独自の防衛戦略を構築する必要がある。

しかし、意思決定の遅さや財政的な制約が課題となっている。短期的にはロシアへの制裁強化やウクライナ支援を進めるべきだが、長期的には軍事的自立を目指し、財政改革や防衛力強化を行う必要がある。ヨーロッパがこのまま防衛力を強化しなければ、ロシアの脅威に対して無防備になり、国際社会での影響力も低下するおそれがある。

🔴 ヨーロッパの現状と危機

  • ウクライナが見捨てられつつある
    • トランプ大統領はゼレンスキー大統領を独裁者と非難し、支援を縮小。
    • アメリカ主導のロシアとの和平交渉にヨーロッパは排除されている。
    • 停戦が成立しても、ウクライナの再武装が制限される可能性が高い。
  • ロシアの復権
    • トランプはロシアのプーチン大統領との関係を回復しようとしている。
    • ロシアの国際的な孤立が解かれ、経済協力が進む可能性。
  • NATOの存続が危ぶまれる
    • トランプはアメリカのNATO防衛義務を疑問視。
    • ヨーロッパの安全保障は不安定になり、東欧諸国が特に脅威にさらされる。

🔵 ヨーロッパの課題と対応策

  • ヨーロッパの弱点
    • 高齢化、経済停滞、防衛力不足の三重苦。
    • 軍事支出は冷戦期(GDPの4〜5%)と比べると大幅に低下。
    • 多国間条約や「共有された価値観」に頼りすぎ、防衛戦略が欠如。

2月18日の投稿で、トランプは「ゼレンスキー氏は早く行動しなければ、国は残らないだろう」と述べ、ゼレンスキー大統領を「独裁者」と呼んだ。

 

ゼレンスキーは戦争を開始してアメリカに3500億ドルの支出をさせた。アメリカはヨーロッパより 2000億ドルも多く 負担しているが、見返りはない。

ゼレンスキーは選挙を実施せず、ウクライナ国内で支持率が低下している。アメリカからの支援金の 半分が行方不明 になっている。

ゼレンスキーは、自身の支持率が高いため、現在の段階で自分を指導者として交代させるのは不可能だと述べた。彼は58%のウクライナ国民が自分を信頼しているという調査結果を引用した。

これは、トランプがゼレンスキーの支持率が「4%しかない」と主張したことを受けたものだ。この「4%の支持率」という情報はロシアが拡散しており、ロシアからの「多くの偽情報」が流されていると指摘し、トランプもその「偽情報の空間に生きている」と発言した。

ヨーロッパ各国の首脳はウクライナ支持の方針を表明したが、米軍がヨーロッパから撤退し、さらにアメリカがNATOから脱退すると、この史上もっとも成功した軍事同盟は終わりを迎えるかもしれない。