「トランプ2.0」の日米関係を日本人は何も知らない

トランプ政権はこれまで重要なパートナーであった。欧州に対してかなり厳しい要求を突きつけています。関係を完全に崩壊させるような非常に厳しいものです。

欧州側はアメリカの予想しなかった要求に対応しようとしていますが、どの国もアメリカよりもはるかに規模が小さく、経済状況も悪いので先行きは暗いものがあります。

トランプ政権の動向を完全に甘く見過ぎていたという他がありません。

この状況は日本にとっても大きな示唆があります。

アメリカはこれまで弟分として扱ってきた日本に対してもかなり厳しい要求をしてくる可能性が高いのです。最悪見捨てられてしまう可能性もあるでしょう。

石破首相とトランプ大統領 首相官邸HPより

日本は、これまでアジア、太平洋におけるアメリカにとっての堤防の役割を担ってきました。

先進国においてここまでアメリカの基地があり、莫大な数のアメリカ兵が駐留している国というのは全くないのです。しかも制空権も制限があります。

欧州人が日本に来ると、とにかく驚くのは東京のすぐ近くに米軍基地があることです。

横田基地や厚木基地、座間キャンプは住宅地のど真ん中にあり、沖縄に行くとあの狭い島の中に大きな米軍基地があるわけです。

私が英語は米軍基地で学んだのだと言うと、驚く欧州人が多いのです。

なぜなら彼らの頭の中では、歴史が長く文化伝統がある日本の古風なイメージと、米軍基地やアメリカの戦闘機の姿が結びつかないからです。

そんな欧州人が日本に来ると私は座間キャンプの周辺に連れて行って、金網の向こうのアメリカの戦闘機を見せ、綾瀬市の上空を飛ぶ自衛隊機や米軍機を見せます。

まるで映画に出てくるようなその風景に唖然とする人だらけです。

日本が欧州よりもはるかにアメリカの軍事力に頼っていると言うことがよくわかるからです。

そして彼らは地図を見て、日本は中国や北朝鮮、ロシアの隣であることを実感します。

日本は欧州に例えるのであれば、エストニアやポーランドのようなところなのです。

少子高齢化で、かつてほど力もなく、資金力にも恵まれぬ日本は、アメリカにとってもはや頼れる弟分ではありません。

日本人は、アメリカが日本から去っていってしまう可能性も想定しておくべきでしょう。