女性皇族「本人だけ皇室残留」は結婚相手探しを容易にする

PRESIDENT Onlineで悠仁さまの記者会見と皇室典範問題についての記事を書いた。ここでは後半に書いていることの一部を敷衍して紹介したい。詳しくは記事をご覧いただければと思う。

愛子さまと佳子さまがいつまでも宙ぶらりん…「悠仁さまの次の天皇候補」を増やせない大問題 国会の議論をストップさせている”犯人”|PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

愛子さまと佳子さまがいつまでも宙ぶらりん…「悠仁さまの次の天皇候補」を増やせない大問題 国会の議論をストップさせている"犯人"
国会における皇位継承の議論が停滞している。評論家の八幡和郎さんは「皇族を確保するための有効な策があるのに、一部の政治家のせいで合意に進めない状況だ。愛子さまや佳子さまをはじめとする関係者のためにも急ぎ実現させるべきだ」という――。

佳子さまや愛子さまを結婚後に本人だけを皇族として、夫や子は皇族にしないという「単独残留案」は、女性皇族の結婚の条件を飛躍的に改善する。

佳子様と愛子様 NHKより

そもそも、内親王の結婚は難しい。相手は元内親王とその家族としての体面を保つために、皇室行事などいろんな機会に夫婦で呼ばれたりするのだし、そこで元内親王やその華族として、相当な負担が必要だ。とくに、お子様がおられる場合はなおさらだ。

逆に、「女性宮家」案で夫も皇族になるなら、希望者はあまりいないと思う。婿養子に近いので家名や祭祀は残せなくなり、長男は難しい。原則として仕事もやめなくてはならないし、実家の家族も含めて窮屈である。

また、皇族になりたいと男性はいわば野心家で皇室にとって歓迎できない。野田佳彦氏は、女性宮家が誕生していたら、いまごろ、小室圭氏が殿下になっていたことを忘れているのではあるまいか。

単独残留案では、愛子さまも佳子さまも皇族費を宮家の通例では、税抜きで毎年3000万円もらうようにできる。住む家は上皇陛下や秋篠宮皇嗣殿下の住む赤坂御苑のなかに設けられる。皇族でない夫や子も住めるのかという人もいるが、いま国会議員宿舎に女性議員の夫である民間人が住んでいるのと同じで問題ない。

仕事も続けられる。皇族の夫として相応しくない仕事についたら、皇室行事参加は遠慮いただくとか、高輪御所など赤坂御苑外に引っ越してもらえばいいだけだ。こういう条件なら、堅い仕事の人ならだいたいいいわけで、お相手探しも楽になる。

私は外交官など官僚がいちばんいいと思う。役人として内親王の夫としての対面が保てるように処遇するのが容易だからだ。

佳子さまは、皇室に残ってもらえるなら、皇室外交の戦力として理想的だし、悠仁さまの相談相手として英国のアン女王のようなご意見番的な役割が期待できる。

愛子さまは、健康状態に不安のある雅子さまを近くで支えることができて好都合だ。

三笠宮彬子さま、容子さま、高円宮承子さまも婚期が遅れたのも、これまでは結婚したら宮家が廃絶になると心配されていたかもしれないし、相手も皇族になっては相手探しもたいへんだが、「単独残留案」なら結婚のハードルも低くなるし、なんなら旧宮家から養子をとって宮家の存続もできる。

将来、佳子さまや愛子さまの子どもを皇族にする可能性は、悠仁さまの子どもがどうなるか、旧宮家からの養子がうまく機能するかなども総合的にみて20年くらいしてから検討すれば良い話だ。

こんないい話を一部の政治家の面子でブロックするのはなんとも不条理である。