株価暴落に「ウキウキする」個人投資家もいる

chachamal/iStock

世界的な株価の下落が続き、日経平均は33,000円台まで下落していますが、すべての個人投資家が悲観してパニックに陥っている訳ではありません。私の周りの投資家たちも意外に冷静で、中にはホクホク顔の人もいたりします。

例えば、お金を借りて不動産投資をしている投資家にとっては、株価の下落はプラスです。

株価の下落はリスク回避の動きを引き起こし債券価格が上昇し金利は低下します。金融政策に関しても、日銀の金融引き締めのタイミングが先送りされる可能性が高まります。

長短金利共に上昇が弱まれば、不動産投資家の借り入れの返済負担を軽減することにつながるのです。

また、株式の空売りをしたり、為替のドル売り円買い取引をしている人も、株式や米ドルの下落によってメリットを得ています。

私はこのような短期のトレーディングをやりませんが、相場が急落するときには、このような短期間で大きな利益を出す投資家がいつも現れます。

そして、これから投資を始めようとしている人にとっても、株価の下落はグッドニュースです。

株価が下がったと言っても企業の事業内容に何か大きな変化があった訳ではありません。環境の変化に伴う市場のセンチメントが変わっただけです。

変わらないものを安く買えるバーゲンセールになり、買い値が下がるので将来のキャピタルゲインの可能性を高めることができるのは大きなメリットです。

過去の経験から見ても、ブラックマンデー、リーマンショック、コロナショックなどの市場の大きな調整は、後から見れば絶好の投資タイミングでした。ただし底値をピンポイントに当てることは困難ですから、その対応は必要です。

昨日から開講した早稲田大学オープンカレッジの資産運用講座には、これまで投資をしたことがない未経験者の方がたくさん参加しています。株価が下落して、不安になっている人たちも多いようですが、このタイミングでのスタートは、ラッキーとしか言いようがありません。

5年後、10年後に今回の「トランプショック」を振り返った時、今はピンチだと思っていた状況が後からチャンスだったと思う。そんな可能性は意外に高いはずです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年4月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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