福岡に来て3ヶ月が経ちました。
3ヶ月経ったというのに、あんまり福岡のことを知らないままでいます。ともすれば名古屋に帰省したり、他の地域を旅行したりしていて思いのほか福岡の町を歩いていないことに気づきました。
3週間ぶりに休みの日にどこにも行かず、家にとどまっていたこの土日。夕方から夜にかけて家の周りを散歩してみることにしました。実は単身赴任先で借りている家、こんなドーム球場がすぐ近くにあるんです。入ったことないけど。
中央区と早良区を隔てる樋井川のほとりで休憩する鴨。
近くによっても眠ったまま。
歩いて20分ほどで福岡タワーに到着しました。夕暮れ時、周辺の駐車場はいっぱいです。気候もいい時期なのでみなさん夕日がきれいなこの時間をめがけてここにやってきているのでしょう。福岡タワーは10年以上前に一度来たことがあるんですが、土砂降りで登ることを諦めて帰った記憶があります。タワーに登るのは後回しにして、近くにある公園に先に行くことにします。
福岡市海浜公園は福岡タワーのある百道(ももち)地区にある海沿いの公園。海を見ながら食事ができる施設などが多くそろっているレジャー施設です。夕方も多くの方で賑わっていました。来場者のほとんどは中国、韓国の方のようで、地元の人はほとんどいない印象です。
訪ねたのは日暮れ時。西に沈む夕日がきれいな時間でした。これだけきれいな夕日が見られるなら観光客が集まるのも納得ができます。
夕焼け空に飛行機雲が現れ流れ星のよう。
夕焼けをひとしきり堪能したところで、いよいよ福岡タワーに登ってみることにします。福岡タワーは平成元年、アジア太平洋博覧会のモニュメントとして建築され、高さは234メートル。福岡の各放送局の電波塔としての役割を果たすとともに、123メートルのところには展望台があって、福岡の街並みを一望できる観光施設となっています。
黄昏時の大都福岡。先ほど地上から見たそれとはまた異なるダイナミックな印象を受けます。
しばらく展望台に佇んでいれば徐々に日は暮れて町灯りが夜景を描き出します。
福岡の東、博多や天神など市街地方面を望みます。福岡の夜景はやけにビルの赤いランプが目立ちます。福岡は街の中心部の真上を飛行機が飛ぶため、航空法の規制により一定の高さを超える建物には赤いランプを設置することが義務付けられているのです。
福岡タワー展望台内も楽しめる演出がいくつもあります。こちらは福岡タワーグッズのガチャ。
100円で月の女神さまがありがたいメッセージをくれるというのでやってみました。今はすべての物事を手放すときなんだそうで。一旦全部リセットしてみるのもいいかもなんて思ってします今日この頃。
地上に降りたころには日も暮れ、福岡タワーはイルミネーションの演出がされていました。会社からの帰り道、家に向かう途中でイルミネーションを見ることができるのですが、これだけ近くで見るのは初めてです。イルミネーションの内容は時期によって異なり、今は地元ももち浜の波と風を現しています。
イルミネーションは時間を追うごとに変化し、こんなハートのかわいらしい演出も見られます。数万円出せばプロポーズのイルミネーションなんかもできるそう。こんなタワーを使ってプロポーズされたら一生の思い出になるでしょうね、と思いつつ陣内智則のネタでこんなのやってたな、と思いだしてしまいました。
ちなみに、ハートのイルミネーションを撮った場所はサザエさん通りといいます。サザエさんといえば長谷川町子美術館のある世田谷区桜新町あたりを思い出す方も多いかと思いますが、実は発祥は福岡。
長谷川町子さんはもともとこの辺りに住んでおり、ももち浜を散歩しているときにサザエさんの着想を得たそうです。だからキャラクターの名前がすべて海にまつわるんですね。昭和21年に福岡の夕刊紙で初登場し、その後朝日新聞での連載に移りアニメ化。国民的アニメの地位を不動のものとしていったのです。
家から徒歩20分で行ける福岡の一大観光スポット、ももち浜に福岡タワー。PayPayドームも近くにあって贅沢な場所に住まわせてもらっているなと思いました。その分前任の静岡にいるときに比べて仕事はハードで責任も課題も多く抱えているのですが、この環境をうまく利用してリフレッシュして乗り越えていかないといけないと思いました。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年4月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。