米国と中国は5月12日、スイス・ジュネーブでの閣僚級協議を経て、互いに課していた追加関税を115%引き下げることで合意しました。これにより、米国の対中関税は30%、中国の対米関税は10%に縮小される予定です。
米中双方が関税「115%下げる」、90日間引き下げ合意 ベッセント米財務長官https://t.co/WI2Nt457Ws
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) May 12, 2025

会見するベッセント財務長官
貿易赤字の削減や製造業の国内回帰を促すことを念頭に置き、相互関税措置の一環として、トランプ大統領は中国からの輸入品に対する追加関税率を145%まで引き上げました。これに対し、中国も米国の追加関税への報復措置を実施し、両国間の貿易は事実上の停止状態に近づいたとみられていました。
【米中摩擦の余波で米国農産物輸出が急減】
米国が中国製品に対し最大145%の関税を課したことを受けて、中国は報復措置として米国産農産物に125%の関税を発動。これにより、米中間の農産物流通は急速に冷え込み、海上輸送に大きな影響を及ぼしています。… pic.twitter.com/1K1FPlrGiU— 川嶋 章義 (@AkiyoshiKawash1) May 8, 2025
しかし、中国との貿易促進を重視する経済界に近いベッセント財務長官が、トランプ氏への説得工作に成功し、米中の関税合戦は一時的な停戦に至りました。
米国の追加関税は145から30%、中国は125から10%に…米財務長官「米中は切り離し望まず」https://t.co/IyogaNfa6m#経済
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) May 12, 2025
また、「米国が中国に対して課す関税が10%未満になることはありえない」と述べました。
ベッセント米財務長官は12日、中国に対する米国の関税が10%を下回るのは「考えがたい」と、ブルームバーグTVのインタビューで語った。 https://t.co/0QBwfSFkCv
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) May 12, 2025
145%から10%の間のどこかで交渉妥結ですか?
— Gear7788 (@Gear7788150155) May 12, 2025
政権発足直後から、トランプ氏は中国と「大きなディール」を締結することに強い意欲を示していました。そのため、今回の展開は、彼の想定通りだった可能性があります。
トランプ大統領が中国との新たな貿易協定の締結を検討。
新協定では核など安全保障を含めた包括的な内容を目指しており、首脳会談で合意に持ち込むつもりだが、ハードルは高い。
Trump Eyes a Bigger, Better Trade Deal With China | NY Timeshttps://t.co/zfrFI0hQsu
— Tsukasa Shirakawa(白川司) (@lingualandjp) February 19, 2025
ベッセント財務長官は、「中国側はバイデン氏が弱いと見て、バイデン政権発足後にトランプ政権時代の通商合意を無視した」と非公開会談で述べたと明かしました。
「中国側は非公開会談で、バイデン氏が弱いことを知っていたため、バイデン政権になった後、第一次トランプ政権と締結した通商に関するの約束を無視したと述べた」とベッセント財務長官。本当ならトランプ政権と対話する時の正しい論法かもしれない。
— Shen (@shenmacro) May 12, 2025
今回のトランプ氏の独断に基づく追加関税の急激な引き下げは、追い込まれたトランプ氏が、自身の面子と米国の国益を優先し、中国と容易に取引を行う可能性があることを示しています。そのため、「朝海の悪夢」のような事態が日本を襲う恐れがあることが危惧されます。
一方、泥沼化したベトナム戦争から手を引きたい米国は、ただの撤退では世界最強国家としての面子を保てないとして、新しい国際秩序の構築を求めていました。
米国は中ソ戦争で中国が敗れる事は米国に益しないと考え、ここに米中の思惑が一致して、秘密裏に両者が近づく事になりました。 pic.twitter.com/1gJz1tmynO
— キール・インペリアル@ロイヤルの本場 (@amberkiel1) September 28, 2022
この時、日米繊維問題を進めない佐藤首相に業を煮やしていたニクソン大統領は敢えて通達せず、日本側が情報を貰ったのは電撃発表3分前でした
日本はここまで「中華民国」寄りで、朝海(あさかい)元駐米大使が恐れていた「ある朝、目覚めたら米中が手を握っていた」悪夢が現実のものとなりました pic.twitter.com/647bBYYapZ
— キール・インペリアル@ロイヤルの本場 (@amberkiel1) September 28, 2022
余録から抜き書きしますーー「ある朝、目覚めたら米中が手を握っていたと考えるとおちおち眠れない」。1950~60年代に駐米大使を務めた朝海浩一郎氏の言葉として外務省に伝わる「朝海の悪夢」だ。それが現実化したのが71年7月のニクソン・ショックだ‥。米朝はどうか https://t.co/MmVE88OhcJ
— 小川一 (@pinpinkiri) March 9, 2018