中国の電気自動車(EV)メーカーBYDが、欧州市場での販売台数で初めてテスラを上回ったことが明らかになりました。市場調査会社JATO Dynamicsの報告によると、2025年4月の欧州におけるBEV(バッテリー式電気自動車)の登録台数は、BYDが7,231台、テスラが7,165台となり、BYDが僅差でトップに立ちました。これは、欧州のEV市場における大きな転換点といえます。
先月ヨーロッパで販売された電気自動車の数
テスラ:7,165
BYD: 7,231
中国のEVメーカーが初めてテスラを追い抜く
BYDは、2022年にノルウェーとオランダを皮切りに欧州市場へ進出し、徐々に販売網を拡大してきました。特に、手頃な価格帯のEVが人気を集め、欧州の消費者に受け入れられています。さらに、EUによる中国製EVへの関税措置にもかかわらず、BYDの販売台数は前年同月比59%増と急成長を遂げています。
4月のBEV登録台数、BYDがテスラを上回る EU関税にもかかわらず中国ブランドが59%急増
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BYDは欧州だけでなく、日本市場への進出も積極的に進めています。2023年には日本法人を設立し、EV「ドルフィン」や「シール」などを展開。日本国内のディーラー網を拡大し、販売拠点を増やしています。
日本のEV市場はまだ発展途上ですが、BYDは価格競争力と豊富なラインナップで市場シェアの拡大を狙っています。
BYDの工場 同社HPより
BYDは、日本市場でのブランド認知度向上のため、俳優の長澤まさみさんを広告塔として起用しました。彼女が出演するCMでは、BYDのEVの魅力や環境への配慮が強調されており、日本の消費者に向けた積極的なマーケティング戦略が展開されています。長澤さんの起用により、BYDのブランドイメージは洗練され、日本市場での受け入れが加速すると期待されています。
国内のEVバスのシェアでは既に独占状態です。
BYDの欧州市場での成功は、日本市場にも影響を与える可能性があります。テスラを抜いたことで、BYDのEVが世界的に競争力を持つことが証明されました。今後、日本市場での販売拡大が進めば、国内のEV市場にも大きな変化をもたらすかもしれません。
BYDの躍進は、EV業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めています。今後の動向に注目が集まります。