ルイ・ヴィトンが売っているのはストーリーとホスピタリティ

ルイ・ヴィトンが渋谷でポップアップイベントとして開催していた完全招待制の「LOUIS VUITTON SAVOIR REVER」に行ってきました。3フロアにルイ・ヴィトンの原点であるトランクをテーマに美術館とさえ言えるような素晴らしい展示を堪能することができます。

私は今年の春にトランクを衝動買いしたことで、顧客リストに入れてもらえ今回招待してもらうことができたようです。

世界的なラグジュアリーブランドはたくさんありますが、旅行用のトランクでこれだけの歴史を持っているのはルイ・ヴィトンだけです。

100年以上前の旅行用の大きなトランクから、現代アートとコラボしたトランク。さらには、ワイン、葉巻、日本酒、ゴルフ、ウイスキーと言ったテーマでカスタマイズされたトランクまで、価格を聞くとため息しか出ない商品を見せてもらいました。

ラグジュアリーブランドは単に高品質な商品を作って売るだけではありません、

その長い歴史の中にストーリー(物語)が必要です。エルメスもシャネルもカルティエもロレックスもそれぞれの歴史を持っています。

ルイ・ヴィトンは長い歴史の中でラグジュアリーな旅行者にトランクの提供を通じて快適な環境を提供してきた実績があるからこそ、その中から様々な物語が生まれます。

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そして、そんなストーリーから夢が生まれて憧れる人たちがいるのです。ブランドとは一朝一夕で作れるものではありません。

渋谷での今回の展示は、そんなストーリーをわかりやすくビジュアルで魅せて、しかもまったく隙のない完璧な演出とホスピタリティで来場者を魅了していました。

かく言う私もそんなストーリーとホスピタリティのマジックにかかってしまい、限定品のトランクなどの商品を3つも買ってしまいました。

気持ちよく高額の買い物をさせてしまうルイ・ヴィトン。恐るべしです。

今回購入したのは一般店舗では販売していない受注生産の商品ばかりだったため、納品まで数ヶ月かかると言われました。今から届くのが待ち遠しいです。

限定生産のトランクに数百万円を使うのは大いなる無駄かもしれません。しかし、文化とはそんな無駄があるからこそ生まれるものだとも思います。

無駄使いは決して悪いことではないと、今は必死に自分に言い聞かせています(笑)。

ちなみにこのトランクは旅行に使う目的ではなく、自宅でのディスプレイ用です。インテリアとしてのトランクもなかなか良いものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年5月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。