アメリカのトランプ大統領は25日、オランダ・ハーグで開かれたNATO首脳会議後の記者会見で、イスラエルとイランの間で続いていた戦闘について「『12日間戦争』は終わった」と述べ、両国の停戦合意が成立し、戦争が終結したとの認識を示しました。
トランプ大統領は、アメリカ軍がイランの核施設に対して行った空爆によって「完全に破壊した」と強調し、「広島や長崎の例を出したくない」と前置きしつつも、アメリカ軍が攻撃しなければ戦闘は今も続いていたと述べ、今回の攻撃判断は正しかったとの認識を示しました。一方、米国防総省の情報機関は「核施設の被害は限定的」との分析を出していますが、トランプ大統領はこれを否定しています。
また、トランプ大統領は来週イランとの協議を予定していることを明らかにし、合意に署名する可能性もあると述べつつ、「署名は必ずしも必要ではない」との考えも示しました。アメリカは引き続きイランに核保有を認めない立場です。
イラン側も核施設の損傷を認め、停戦の維持を見極める姿勢を示していますが、「侵略が続く限り、アメリカとの協議には戻れない」と主張し、IAEAへの協力停止を議会で承認するなど強硬な姿勢も崩していません。
一方、イスラエルでは戦闘の沈静化を受けて学校や空港の再開が進み、市民生活が戻りつつあります。イスラエルのネタニヤフ首相は「歴史的な勝利」と述べ、トランプ大統領への感謝を表明しました。
トランプ大統領は、ネタニヤフ首相に電話でイランへの攻撃を控えるよう求めたことを明かし、「大規模な攻撃を回避するよう説得した」としています。死傷者については、イランで600人以上の民間人が死亡、イスラエルでは28人が死亡したと報告されています。
今後の焦点は、アメリカとイランの協議がどこまで進展するかにあります。
トランプ大統領 ホワイトハウスXより