昨年の都知事選で「国政には戻らない」と明言していた蓮舫氏が、一転して立憲民主党から参院選比例代表に出馬する姿勢を示しました。その蓮舫氏が街頭で「この1年間、誰よりも寄り添える気持ちを学んだ。もっと強く、優しくなれるとあらためて思っている。渡り鳥になってもいいから、もう1回国会で蓮舫を使っていただきたい」と訴えました。
この方針転換について、本人は「国会で使ってほしいという確信に至った」と弁明していますが、1年前の発言との矛盾は明らかです。
街頭演説を再開した蓮舫氏 同氏Xより
都知事選後に「渡り鳥のような政治家にはならない」としていたにもかかわらず、今回は「渡り鳥でも使ってほしい」と主張を翻しており、発言の軽さや一貫性のなさが浮き彫りとなっています。国民の信頼を得るべき政治家が、自らの言葉に対して責任を持たない姿勢は極めて問題です。
29日にも東京で応援演説を行い、昨年の都知事選以来1年ぶりに政治の訴えを行いました。「弱さが分かる蓮舫になって、もう一度国の皆さんのために働きたい」と語り、支援を呼びかけました。
参照:蓮舫氏 立憲民主党比例代表で出馬 久々の応援演説「弱さが分かる蓮舫に」なる スポニチアネックス
蓮舫氏の出馬は知名度での当選が確実視される一方、他の候補の当選枠を圧迫する懸念があります。比例票が逃げる恐れもあり、党内では反発や疑問の声が上がっています。他の立民候補者の「弱さ」には思いが至らないようです。
また、過去には「日本国籍は都合が良いから」と述べた発言が取り沙汰されており、これについての撤回や釈明はいまだありません。
それにもかかわらず、立憲民主党執行部は、都議選での「貢献」を理由に擁立を決定しましたが、こうした選挙目当ての短絡的な判断が、むしろ党への信頼を損なう結果となるおそれがあります。過去の「2位じゃダメなんですか」発言にも象徴されるように、蓮舫氏には他者に厳しく、自分に甘い言動が目立ちます。
有権者から批判を受けても仕方がないこのような再出馬に、立憲民主党の政党としての「覚悟」も問われています。