アメリカが日本に8月から25%の関税を課すと通知したことに対し、石破首相は「誠に遺憾」と述べ、協議継続の方針を示しました。事前に予測されていたにもかかわらず、日本政府は改めて協議に入る姿勢で、対応は「遺憾」表明にとどまっています。
石破首相は総合対策本部で、国益を守るために引き続き米国との交渉を進めるよう閣僚に指示し、関税の影響分析や国内産業への支援強化も求めました。テレビ番組でも税率引き下げの可能性について「当然ある」と述べ、訪米して交渉する意向も示しています。
一方、野党からは政権の交渉力不足に批判が集まっています。立憲民主党の野田代表は交渉担当の赤沢経済財政相の交代を提案し、日本維新の会の吉村代表もトップ同士の信頼関係の欠如に懸念を示しました。
国民民主党の玉木代表は「交渉は事実上決裂した」と指摘し、追加の経済対策を提言しました。
関税が発動されれば、日本の航空機部品や建設機械、自動車などの産業に大きな打撃が及び、企業倒産のリスクも指摘されています。国内のメーカー各社は価格転嫁や生産拠点の見直しを余儀なくされており、日米交渉の行方と国内対策が焦点となっています。
日本政府は交渉の継続を掲げていますが、石破政権が期待していた「特別扱い」が通用しない現実に直面し、関税撤廃という従来の交渉目標を見直さざるを得ない局面にあります。
8月1日の発動までの短期間で、どこまで巻き返しが図れるかが注目されます。
米国の関税措置に関する総合対策本部に出席する石破首相 首相官邸HPより