保守分裂の和歌山「パンダ再び」の二階氏三男を能登失言が直撃

参院和歌山選挙区(改選1)では、過去最多の7人が立候補し、注目の激戦区となっています。自民党は、二階俊博元幹事長の三男・二階伸康氏を擁立しましたが、裏金問題で離党した世耕弘成衆院議員に近い望月良男氏(前有田市長)が無所属で出馬し、保守分裂の構図となっています。

伸康氏は、2024年の衆院選で世耕氏に約3万票差をつけられ敗北し、比例復活もできませんでした。今回の参院選では、街頭演説を重ね、地方創生や「パンダの再誘致」などを訴えていますが、自民党内では「外交案件を選挙の争点にするべきではない」と懸念の声もあります。

選挙戦には、共産、維新、参政党、NHK党などの候補も加わり、物価高・少子化・社会保障などをめぐる争点で論戦が交わされています。

二階伸康氏 自民党HPより

石破茂首相も応援に入り、党本部は総力戦で臨んでいますが、俊博氏の側近・鶴保庸介参院議員の「能登地震は運が良かった」との失言が逆風となりました。

この発言に対して、世耕氏はSNSで強く批判し、望月氏の支援を表明しました。

世耕氏はこれまで表立った支援を控えていましたが、ついに応援演説に登場し、「和歌山の空気の入れ替えが必要だ」と訴えました。望月氏も、「和歌山、日本のために命を懸ける」と強い覚悟を示しています。

序盤ではリードしていた二階氏ですが、自民支持層の一部が望月氏に流れることも予想され、無党派層の動向が鍵を握ります。

二階氏にとっては「二階王国」再興を懸けた最後の挑戦です。