日本維新の会の音喜多駿氏(参院選東京選挙区候補)は、14日夜に「#社会保険料を下げる改革」と題した動画をX(旧Twitter)に投稿しました。動画では、政治家と医療法人会長が料亭風の座敷で「社会保険料の負担増は国民に気づかれなければ増税より簡単」と語るシーンが描かれ、音喜多氏がそれを批判する形で登場します。
この内容が「医療現場を馬鹿にする」として医療関係者や団体から強い批判を受け、SNSでも「分断をあおる」「品がない」などの否定的な声が広がりました。動画は公開からわずか数日で800万回以上再生され、波紋を呼びました。
音喜多氏の投稿した #社会保険料を下げる改革 動画より
現時点で日本医師会からの公式な声明は見られませんが、日本医療法人協会は「選挙活動の一環とはいえ、医療及び医療法人関係者に対しての事実誤認をおこす内容」として正式に抗議しました。
この動画に対し、多数の医師や医療従事者が反応し、さまざまな意見が寄せられています。
医療関係者の中には、この動画を「人格否定」と受け取り、強い反発を示す声がある一方で、音喜多氏の「医師会の利権」批判に賛同し、医師会が既得権益を守っているとの問題提起に理解を示す投稿も見られます。
また、「糞プロパガンダ」とする感情的な批判や、冷静な議論を求め、医師会と医療従事者全体を混同しないように呼びかける意見もあり、X上の議論は紛糾しています。
こうした批判の高まりを受け、音喜多氏は15日、X上で「ご不快な思いをさせた方にお詫び申し上げます」と謝罪し、問題の動画を削除しました。謝罪文では、医療現場への敬意を示しつつも、社会保険料改革の必要性を訴える意図があったと釈明し、表現が不適切だったことを認めました。
今回の騒動は、医療現場との対話や、有権者に対する政策説明のあり方について、改めて考える機会となりました。