21日、参議院選挙での与党の敗北を受けて、石破茂首相は自民党総裁として記者会見を開き、総理大臣の続投を正式に表明しました。
石破氏は「国政の停滞を避けることが最も大切だ」と述べ、比較第一党としての責任を果たす意向を示しました。
石破首相は、物価高対策に成長投資と賃上げを掲げ、超党派協議を呼びかけました。関税交渉では「投資重視」の方針を示し、早期のトランプ政権との会談に意欲を示しました。進退への言及は避け、責任の明確化はされませんでした。また、トランプ前大統領との関税交渉についても早期の直接会談を目指すとし、経済再生担当大臣が渡米中であることも明かしました。
党内からは退陣を求める声も出ている中で、石破氏は「丁寧な議論を通じて対応する」とし、両院議員懇談会や地方組織の声を踏まえた対話の姿勢を強調しました。内閣改造については、党役員の任期を念頭に検討すると述べています。
会見する石破首相 NHKより
石破首相は「これからはいばらの道」と述べ、他党と真剣に議論を進める考えを示しました。執行部交代には否定的で、連立拡大にも「現時点で考えていない」と慎重な姿勢です。
今回の選挙では自民党が39議席、公明党が8議席と、合計47議席で過半数を割り込みました。石破氏は「有為な同志が議席を得られなかったのは痛恨の極み」と述べ、深く謝罪しましたが、異論を一切受け付けない姿勢は非常に印象的でした。
一方、党内では「まずは総理が辞任すべきだ」といった厳しい意見も噴出しています。麻生太郎最高顧問ら重鎮も続投に否定的とされ、今後の人事や政権運営には困難が予想されます。
衆参ともに少数与党となった現状では、秋の臨時国会での補正予算審議などを巡り、野党との連携も鍵となりますが、与党に協力する野党は少ないとの見方もあり、厳しい政局が続く見通しです。