これから先の投資:アメリカ株の魅力が剥げた今、狙い目の国内企業

自民党両院議員総会。見えたものは「決められない自民党、動かない自民党、動けない自民党」だったと思います。長老の権力も今は昔。若手層の声、保守派の声、旧派閥の声が複雑に入り混じり、我々が知る自民党の姿はもはやなくなったようです。私が何年も前から「自民党は割るべき」と言い続けていたのにそれをその時に実行していれば今のようなことにはならなかったかもしれません。派閥という独特のルールが支配していたこの党を本当に壊したのは後年、岸田氏だったと言われるのでしょう。

では今週のつぶやきをお送りします。

これから先の投資

今日は日本株に絞って考えます。私が夏前に「日経平均42000円もあるかも」と申し上げ、「本当にあるのか?」という懐疑的な声も頂いたのですが、昨日700円超の爆上げで一時42000円台を回復。私としては言った手前、良かったと思っています。いろいろな方と話をしていると「俺はこう思う」「私はこうよ」と意見がいろいろ出ますが、どれだけ熟考した上の話なのかは残念ながら聞き出すのは難しいもの。逆に私のように記録に残る形となればなおさら「当たらないじゃないか?」と責められるのでそれなりに一生懸命考えているつもりです。

ではこの先です。まずチャート的には攻防になります。7月24日につけた高値と見事なWトップになっており、この先は突き抜けるか、下落の始まりになるかの二択しかありません。個人的には外部要因からして下げ余地はあまりなく目先あと1000円から2000円程度上げてもおかしくないとみています。ただし、その頃に秋を迎えるので要注意ということになります。今回の上げ基調の立役者はソフトバンクGでした。

嫌いな方もいるソフトバンクGは相応の実力は18000円超なのですが、アナリストや個人予想はバイアスがあるのか10000円以下なのです。これは同社に限らず日本のアナリストは往々にして非常にコンサバな予想を出します。多分、欧米のようにバカ高な予想をすると会社から怒られるのでしょう。ですが、同社は4月に6000円割れしたのに今は2倍以上。何が起きているか、それは株式選別で国際間取引が上手なところが囃されたとみています。ソニーが新値、日立も高値圏ですが、アメリカ株の魅力が剥げた今、このような企業はいけるのです。ドメ企業ならば徹底した経営改善ないし、大成建設のようにM&A体質になりシェア拡大を積極的に狙う企業です。要は国内企業も弱肉強食の本格的時代を迎えたということです。胡坐をかく企業は退場を余儀なくさせられる戦国時代とも言えそうです。

MarsYu/iStock

暴走列車ネタニヤフ首相はどこまで走るのか?

イスラエルのネタニヤフ首相がガザ全土の占拠姿勢を打ち出しました。同地区は同国シャロン首相(当時)が2005年に入植計画を撤廃してガザを監獄のようにしてしまったことが現在の抑圧されたハマスの暴発を招いたのかもしれません。日本の戦国時代を含め、戦いの勝利の方程式の一つは相手に逃げ道を必ず残すこととされます。ところがガザはパレスチナからも物理的に離れ、孤立化の状態にあることが更なる不幸を招いたとも言えます。

ネタニヤフ首相はガザ地区について全土占拠後、第三国の統治下に置くべきと述べています。では欧州各国が国家承認をしようとしているパレスチナとの関係はどうなるのか、このあたりはまだはっきりしませんが、個人的には物理的に飛び地的な状態であるゆえにパレスチナと切り離すことが必要なのだろうとは思います。レバノンもヒスボラに年内に武装解除をするよう指導する方針です。とすればいわゆる好戦的なイランの影響下にある過激組織が抑え込まれる展開となれば確かにロジックとしては中東和平が起こりうる可能性はあります。

ただ、ネタニヤフ首相のやり口を称える人は少ないでしょう。イスラエルに気を使ってきたドイツもついにガザに使われると思われる武器の輸出を停止すると発表しました。日本ではユダヤ人は称えられたり金持ちになる方法を知っているといった認識が強いと思いますが、カナダを含め、欧米では見えないわだかまりはあります。ユダヤ人は力量があるのでそれを口にしないだけの話で基本的には関わらないようにする人は多いのです。トランプ氏の姿勢は歴代アメリカとユダヤの関係が濃いこともありますが、氏の個人的な思いがもっと強いのでしょう。ネタニヤフ氏の野望の終点はいったい何処にあるのか、これは本人も含め、誰もわからないのかもしれません。

バンクーバーのアニメコンベンションで見たもの

先週の金曜日から3日間、バンクーバー最大のアニメ コンベンションに出店して張り付いていました。今回4回目ですが、売り上げは不思議と毎年ほぼ同じ。いろいろ反省点もありますが、毎回、本はよく売れます。外国人が日本の本をなぜ買うのか不思議でしょう。印象的だったシーンは百科事典のような名探偵コナンの全記録集。これを遠くから目ざとく見つけた小学生ぐらいの姉妹が手に取るや、「見つけた!」。価格は120㌦(約13000円)。姉妹は双方の財布からありっだけのお金を出し、数えますが足りません。そこでそばにいた母親にこれを買うのに2人で〇ドルあるから残りだけ出してほしいと懇願。母親がニコッと笑って姉妹にそのお金を渡し、本を抱きかかえるようにして帰って行きました。我々スタッフは皆で拍手です。「良かったね」と。

日本の書籍は製本が素晴らしく、特に画集と称されるものは紙質を含め、永久保存の価値があります。よって今回の売れ筋は「価格の高い本=ごつい立派な本から売れた」というのが正解で宮崎駿の250㌦の本をはじめ100ドル以上の本は軒並みSold Out。売れ線はマンガ、アニメよりもゲームや音楽絡みに変わっています。今回絶対の自信があり、実際、一瞬で売り切れたのが韓国のゲーム、Nikke(ニケ)関連の本。その他中国の「原神」を含め、ゲーム系はほぼ即売。私の好きなラブライブも完売。アニメコンベンションは超オタクの集まりなのでこの売れ線は一般の参考にはなりませんが、売っている私たちが「これ、買うの?」という本を買っていきます。刺青の本も売り切れました。

他の小売り店も含め、見えたのはフィギュアは終わった感があること。ガンプラ(ガンダムのプラモデル)はまだ好調だったこと、カードよりも現金決済が異様に多かったことが印象的でした。若い人が主体のイベントなので使いすぎを気にしていることもあるでしょう。アーティストベンダー(自分で絵をかいて売る人たち)は50人以上出ていますが、人だかりの有るところとないところの差はSNSの発信力の差だと思います。インスタフォロワーが数千人以上だと売れるんです。つまり突然コンベンションに来ても売れるものではなく、事前にどれだけSNSを通じて告知するかが今のビジネスのキーポイントと言えます。

後記
バンクーバー在住の元Jリーガー、牧本泰山氏とやり取りをし、この2週間で2度ほど会い、ビジネスのことを含め、いろいろ話をしています。昨日も氏や元講談社の友人と食事をしながら来年の北米開催のワールドカップに話が及び、バンクーバーもサッカー振興を通じてスマホを置いて、コミュニケーションをとれる教育をしたいね、と子供教育について話が盛り上がりました。牧本さんが展開しているサッカー教室に当社で預かるインターンシップの学生を1日、送りこむことにしており、座学ばかりではなく、カラダを使って人と人がつながることを体得してもらうプログラムが普及できれば良いと模索しています。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年8月9日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。